2019年8月14日、フォルクスワーゲンAGは本国サイトでTロック カブリオレ(T-Roc Cabriolet)を発表した。日本未導入のTロック(T-Roc)やTクロス(T-Cross)を含め、フォルクスワーゲンのSUVラインアップを確認してみた。

2019年末から、コンパクトSUVで攻勢に打って出るフォルクスワーゲン

自動車業界全体のSUVラインアップはいま、とにかく豊富だ。国産ブランドはもちろんだが、海外ブランドによる品揃えの層はこれでもかというほど厚い。

ドイツブランドだけを見ても、アウディはQ2からQ8までQシリーズを5車種、BMWはX1からX7までXシリーズを7車種、メルセデス・ベンツはGLAからGクラスまでを8車種、ポルシェもマカン/カイエン/カイエンクーペと3車種を展開している。各社が手を替え品を替え、幅広いニーズに応えようとしている。

ところが、である。2018年の輸入車ブランド別販売台数で2番手につけているフォルクスワーゲンはというと、クロスオーバーSUVを除いて現在ティグアンのみの1車種での展開となっているのだ。ライバルの攻勢や、SUVブームの真っ最中であることを考えると「どうしたフォルクスワーゲン」と思ってしまう。

かつてはミドルサイズSUVのトゥアレグをラインアップしていたものの、2018年3月の本国でのフルモデルチェンジを機に販売を終了して以来、新型はいまだに日本市場へ投入されていない。トゥアレグよりも大きく、北米市場を中心に展開されているラージサイズSUVのアトラスも同様だ。日本の道路事情やニーズ、ライバルの動向を見て導入を見送っていると考えられる。

画像: 2019年内には日本デビューするのではないかと言われているコンパクトSUVの「Tクロス(T-Cross)」。

2019年内には日本デビューするのではないかと言われているコンパクトSUVの「Tクロス(T-Cross)」。

では、フォルクスワーゲンはSUVの展開に消極的かというとそんなことはない。実は日本未導入のSUVがいくつも控えているからだ。なかでも2019年内の導入を予定されているTクロス(T-Cross)は、同社の持っているSUVの中で最もコンパクトなモデルだ。全長4108×全幅1760×全高1584mm(欧州仕様)という数値は、新型ポロ(4060×1750×1450mm)のSUVバージョンと言えるサイズ感である。

エクステリアからインテリアまで、割と保守的だったこれまでのフォルクスワーゲン流デザインとは異なり、アグレッシブさを感じられる。黒のパーツを多用、さらにメッキ調パーツで装飾されたフロントデザイン、彫りの深いサイドライン、左右をつなげるリアコンビネーションランプ、さらにボディカラーに連動するコクピットからインパネ、シフトまわりのパーツなど、若々しさを押し出したコンパクトカジュアルSUVに仕上がっている。

1L 直3ターボ(95ps/115ps)と1.5L 直4ターボ(150ps)、1.6L 直4ディーゼルターボ(115ps)の3種類4スペックが用意されている。このうち、どれが日本に導入されるかまだわからないが、いずれにしろ注目を集めることは間違いない。

画像: クーペルックのSUV、Tロック(T-Roc)は2020年に日本導入予定。

クーペルックのSUV、Tロック(T-Roc)は2020年に日本導入予定。

そして2020年に導入予定となっているのがTロック(T-Roc)だ。実はこのモデル、2017年8月に本国ドイツでワールドプレミアを果たしたもので、当初は2018年日本導入とも言われていたが、かれこれ2年以上も待たされているような状況だ。

サイズ感で言えばティグアンとTクロスの中間に位置し、4234×1819×1573mm(欧州仕様)と現行ゴルフ(4265×1800×1480mm)のSUVバージョンとも考えられる。ただし、そのデザインは堅実なゴルフと違って前衛的だ。クーペライクなシルエットに加えて、Aピラーからルーフをボディカラー別色にするフローティングルーフデザインを取り入れ、思い切りスタイリッシュな1台だ。

エンジンは、ガソリン仕様で1L 直3ターボ(115ps)と1.5L 直4ターボ(150ps)、2L 直4ターボ(190ps)の3種類。ディーゼル仕様は1.6L 直4ターボ(115ps)と2L 直4ターボ(150ps/190ps)の2種類3スペックとなっている。

画像: ティグアンとTロック、Tクロスのおおよそのサイズを比較(フロントホイールのセンターで位置揃え)。日本仕様のティグアンのサイズは4500×1840×1675mmとなっている。

ティグアンとTロック、Tクロスのおおよそのサイズを比較(フロントホイールのセンターで位置揃え)。日本仕様のティグアンのサイズは4500×1840×1675mmとなっている。

TロックがオープンSUVになって2020年春に欧州で登場

ラインアップの数でライバルメーカーに劣っている現在の状態で、2018年輸入車ブランド別販売台数のナンバー2に入っているフォルクスワーゲン。ティグアンに、Tクロス(2019年内)とTロック(2020年)の2モデルを加えることによって、日本のSUV市場のボリュームゾーンであるコンパクト部門でシェアを拡大することだろう。2020年以降の販売ランキングを変動させることができるのか、はたまたライバルの反撃があるのか気になるところだ。

そして2019年8月14日、フォルクスワーゲンが新しいニュースを発表した。クーペルックのトレンディSUVに派生モデルを追加した。それが、2ドアボディに改められ、4シーターのオープンSUVに生まれ変わった「Tロック カブリオレ(T-Roc Cabriolet)」である。

画像: オープンSUV、T-ロック カブリオレが正式発表間近だ。

オープンSUV、T-ロック カブリオレが正式発表間近だ。

およそ9秒で開く電動ルーフの素材は、ゴルフやビートルの伝統にならってソフトトップを採用。30km/hまでであれば、走行中も開閉できる。エンジンは1L 直3ターボ(115ps)と1.5L 直4ターボ(150ps)が用意されるという。

ただ、詳しい内容についてはまだ語られていない。正式には2019年9月12日に開幕するフランクフルトモーターショー(IAA)で発表され、2020年春に欧州で発売されるという。

オープンSUVと言えば、デビュー時に自動車業界に衝撃を与えたレンジローバー イヴォークコンバーチブルが直近までラインアップされていたが、ベース車両のフルモデルチェンジの後、新型の情報は聞こえてこない。そんななかでのTロック カブリオレだ。現行モデル唯一の存在感は強みを発揮することになるだろう。

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