登場以来、強烈なパフォーマンスと精緻な作り込みでたちまちスポーツセダンのトップモデルに駆け上がったBMW M5。その第3世代はV8エンジンを搭載し、さらに進化して登場した。

M5(E39)はパフォーマンスも官能度もハンドリングも超一流だった

1998年、しばらく途絶えていたM5が第3世代となって登場、BMW M社が投入したこの M5(E39)により、スポーツモデルのセグメントに新しいドライビングダイナミクスの局面が切り開かれることになる。

第3世代のM5の注目は完全に新開発されたV型8気筒エンジン。4901ccの排気量で400psの最高出力と500Nmの最大トルクを発揮、最高速はリミッターで250km/hに制限されるものの、実際には295km/h以上と言われた。

トランスミッションは先代モデルで定評の6速MTを標準装備、ボディサイズは大きくなったが、優れたエアロダイナミクス、インテグラルアーム式リアサスペンションの採用により、高い直進安定性と軽快なハンドリングを実現していた。

また、エクステリアはM5の伝統的な趣向として控えめな表現とされていたが、フロントエプロン、大きなエアインテーク、ワイドな専用18インチアロイホイール、4本のテールパイプなどから、通常の5シリーズとすぐに識別することができた。

パフォーマンスも官能度もハンドリング超一流、M5(E39)は非の打ちどころのない高性能スポーツセダンに仕上がってはいたが、モータースポーツとの関連性はそれほどなく、一部のファンからはイメージ的にMモデルのコンセプトとしては弱いという不満の声も聞かれた。

しかし、販売的には大成功作となり、世界中のマーケットに2万台あまりの車両がデリバリーされた。このヒットで、Mモデルの目的がモータースポーツに参戦することだけではないことがはっきりとしてくる。

画像: 見た目は控えめだが、リアスポイラーの効果は大きく、140km/h走行時に15kg、250km/h走行時には50kgものダウンフォースを発生した。

見た目は控えめだが、リアスポイラーの効果は大きく、140km/h走行時に15kg、250km/h走行時には50kgものダウンフォースを発生した。

画像: 400psを誇るスポーツセダンとは思えない豪華なインテリア。マルチファンクションステアリングを装備、トランスミッションはゲトラグ製6速MT。日本仕様のハンドル位置は左のみだった。

400psを誇るスポーツセダンとは思えない豪華なインテリア。マルチファンクションステアリングを装備、トランスミッションはゲトラグ製6速MT。日本仕様のハンドル位置は左のみだった。

BMW Mの系譜のバックナンバー

BMW M5 (1998)

●全長:4785mm
●全幅:1800mm
●全高:1435mm
●ホイールベース:2830mm
●車両重量:1790kg
●エンジン:V型8気筒 DOHC
●排気量:4941cc
●ボア×ストローク:94.0×89.0mm
●最高出力:400ps/6600rpm
●最大トルク:500Nm/3800rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速MT
●サスペンション:ストラット/インテグラルアーム
●0→100km/h加速:5.3秒

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