6気筒エンジンを搭載した2代目M3はその高性能で爆発的な人気を得たが、3代目M3ではその基本コンセプトを踏襲しながら、さらにそのはるか上を行く性能でファンを驚かせることになった。

M3専用のボディパネルで外観もアグレッシブに

1999年のフランクフルトモーターショーで第3世代のM3(E46)が発表された。搭載されるエンジンは直列6気筒だったが、そこには6連スロットルやダブルフロー構造のオールステンレス製エキゾーストなど、F1で培った技術が注ぎ込まれていた。

先代から50ccほど排気量アップされた直列6気筒エンジンは、最高出力343ps、最大トルク365Nmと、出力、トルクともに向上、0→100km/h加速は5.2秒とされた。

BMW M社のエンジニアは、エンジン性能向上だけでなくシャシの開発にも力を入れ、前後のトレッドを通常モデルから大幅に拡大、シャシには補強材を加え、サスペンションのアームにはアルミが使った。また、レースで使われるフローティング構造のブレーキディスク、いわゆるコンパウンドブレーキを装備していた。

画像: 通常の市販車のレベルをはるかに超えたこだわりを見せた3代目M3(E46)。3シリーズと違いがさらに明確になった。

通常の市販車のレベルをはるかに超えたこだわりを見せた3代目M3(E46)。3シリーズと違いがさらに明確になった。

スタイリングの考え方にも変化があった。先代のM3(E36)は控えめな外観を持っていたが、新型M3(E46)ではエアロダイナミクスも追求、専用のオーバーフェンダーやがパワーバルジが設けられたアルミボンネット、空力に優れたバンパーを備えるなど、刺激的なデザインとなっていた。

デビューから1年後、M3は日常性を脱ぎ捨て、レースに挑むことになった。アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)のホモロゲーションを取得するため開発されたM3 GTRは、4L V8(P60B40型)エンジンを搭載。ルーフ、リアウィング、フロントバンパーとリアバンパーはカーボン複合材製で、車重は1350kgだった。2002年、M3 GTRはアメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)のGTクラスでチャンピオンを獲得した。これはBMW M社創立30周年を祝う出来事となった。

2003年には「CSL」がこのM3で復活した。BMW モータースポーツ社(BMW M社の前身)が初めて開発した記念すべき「3.0CSL」の復活というべきモデルで、「CSL」はC=Coupé(クーペ)、S= Sport(スポーツ)、L=Leichtbau(軽量構造)であることを示していた。

M3CSLは、快適装備の多くが省略され、ルーフ、センターコンソール、ドアトリムはカーボンファイバー製となり、リアウインドウさえも軽量化されていた(ルーフパネルだけで6.8kg軽量化されたと言われる)。エンジンは360psのS54B型3.2L直列6気筒が搭載され、ビッグレースには参戦していないが、ニュルブルクリンク北コースでこのクラス最速の7分50秒をマークした。M3CSLはたちまち1383台をが完売、日本にも上陸している。

BMW Mの系譜のバックナンバー

BMW M3クーペ(2000)

●全長:4492mm
●全幅:1780mm
●全高:1372mm
●ホイールベース:2731mm
●車両重量:1550kg
●エンジン:直列6気筒 DOHC
●排気量:3246cc
●ボア×ストローク:93.4×84.0mm
●最高出力:343ps/7900rpm
●最大トルク:365Nm/4900rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速MT
●サスペンション:ストラット/セントラルアーム
※トランスミッションはSMGも設定

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