スーパーカーといえばエンジンはミッドシップ…と思われがちだが、コンベンショナルなFR(フロントエンジン リアドライブ)を採用しているモデルも、1960年代から21世紀の現代まで数多く存在する。そこで、FRならではの美しい佇まいも備えたスーパースポーツカーを紹介する連載企画をお届けしよう。

ASTON MARTIN Vantage:アストンマーティン ヴァンテージ(2017−)

画像: ヴァンテージのスタイリングは、獰猛な肉食獣をイメージしているという。

ヴァンテージのスタイリングは、獰猛な肉食獣をイメージしているという。

アストンマーティンの最大のライバルは、フェラーリであるとも言われている。どちらも母国を代表する高級スポーツカーメーカーであり、基本的にスーパースポーツカーしか造っていない。もっとも、アストンマーティンは間もなくSUVを発表する予定だし、フェラーリもSUVを開発中という噂はあるが・・・。

画像: 全長は4.5m足らずと比較的コンパクト。0→60mph(約97km/h)加速は3.5秒、最高速度は314km/hに達する。

全長は4.5m足らずと比較的コンパクト。0→60mph(約97km/h)加速は3.5秒、最高速度は314km/hに達する。

さて、ヴァンテージという車名は、前回紹介したDB5をはじめ歴代のアストンマーティン車において、高性能バージョンのグレードとして存在していた。だが2005年に発表された「ベイビー・アストン」と呼ばれる、アストンマーティン車のエントリーモデルであり、小型2シーター ピュアスポーツの独立モデルに、ヴァンテージの車名が使われた。

ここで紹介する最新かつ現行モデルのヴァンテージは、2017年11月に日本を含む世界6カ国で同時に発表された。そのスタイリングは、獰猛な肉食獣をイメージしている。前後のオーバーハングは短く、筋肉質なサイドプロフィールと幅広いリアエンドにより、敏捷性とダイナミズムを表現している。

画像: フロントには510psを発生するターボで武装された4L V8を搭載。極太のストラットタワーバーがバルクヘッド側にも接続されている。

フロントには510psを発生するターボで武装された4L V8を搭載。極太のストラットタワーバーがバルクヘッド側にも接続されている。

新しいヘッドライトとテールライトは、今までのアストンマーティン車にはない個性を主張している。いかにも全身を鍛え上げたような佇まいで、重量配分や基本的ディメンジョンを極めて優れた運動性能を誇っている。

現行型のヴァンテージは、2016年3月に発表されたGTカーのDB11から始まった新世代アストンマーティンの「セカンド センチュリープラン」第2弾にあたり、DB11とも共通のアルミを多用したプラットフォームは、ホイールベースを短縮して使用して、先代よりも大幅に軽量化されている。

画像: ラグジュアリーなコクピットにちょっと不似合いな感もある異形ステアリングが特徴的。これも高性能を主張している。

ラグジュアリーなコクピットにちょっと不似合いな感もある異形ステアリングが特徴的。これも高性能を主張している。

フロントに搭載されるエンジンは、提携するメルセデスのAMG GT用オールアロイ製4L V8ツインターボを独自にチューンして、510psと685Nmを発生するもの。ZF製の8速ATをリアにマウントするトランスアクスル方式を採用し、0→60mph(約97km/h)加速は3.5秒、最高速度は314km/hに達する。

インテリアも機能本位でデザインされ、従来のアストンマーティン車で特徴だった大きなセンターコンソールはコンパクトで凝縮感のあるものとなっている。

画像: 細長いテールランプがユニーク。リアバンパー下部はディフューザー形状となっている。

細長いテールランプがユニーク。リアバンパー下部はディフューザー形状となっている。

アストンマーティン ヴァンテージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4465×1942×1273mm
●ホイールベース:2704mm
●車重:1530kg
●エンジン形式・排気量:V8 DOHCツインターボ・3982㏄
●最高出力:375kW<510ps>/6000rpm
●最大トルク:685Nm<69.9kgm>/2000-5000rpm
●トランスミッション:8速AT
●タイヤサイズ:前255/40ZR20、後295/35ZR20

スーパーカー図鑑のバックナンバー

This article is a sponsored article by
''.