1954年、東京モーターショーの前身である「全日本自動車ショウ」が開催されてから、2019年で65年が過ぎた。そんな東京モーターショーの歩みを、当時のニューモデルやコンセプトカーなど、エポックメイキングなモデルを軸に紹介したい。今回は1979年の第23回ショーを振り返った。

1970年代の締め括りは、ターボモデルが多数登場

「80年代の豊かさへ?せかいを結ぶくるまたち」というテーマが立てられた1979年の第23回ショーは、1970年代最後のショーとなる。出品車両も新技術への意欲的な挑戦も見られ、とりわけターボエンジンとディーゼルエンジン搭載車が多数登場したのが特徴だった。

■三菱 パジェロII

画像: 1979年のショーでは、まだエンジンレスのデザインスタディだった。

1979年のショーでは、まだエンジンレスのデザインスタディだった。

三菱は1973年の第20回ショーにコンセプトカー、ジープパジェロを出品していたが、これは既存のジープにRV風の装備を施したものだった。一方、1979年のショーに展示されたパジェロIIは、まったく新しいボディと機構を備えたモデルで、「パジェロIIは多用途の4輪駆動車で、ロールバー、ルーフサイドバーで安全性を高め、前席バケットシート、後席前向きシートの居住性、快適性を追及した“明日のジープ”を狙ったもの」と説明された。ラダーフレームを持つピックアップトラックのフォルテ4WD用シャシに角目2灯のFRP製オープンボディを架装した(エンジンは未搭載だった)デザインスタディモデルだが、その洗練されたスタイルが好評で、1982年にはこれがほとんどそのままの形で、パジェロの名で市販される。

■トヨタ CX-80

画像: 直線と平面で構成されたスタイリングがユニークだ。

直線と平面で構成されたスタイリングがユニークだ。

1980年代のクルマのありかたを追求して試作されたモデル。トヨタは「実用性、経済性はもとより、高い品質を備えたシティカーとして、80年代のクルマの方向性を示唆したもの」と説明した。特徴はステアリングホイールの内側に集められたデジタルのメーター類、プッシュボタン化されたATセレクター、パイプフレームシート、ヒンジドドアなどの新機構を採用したことで「従来であればふたクラス上の車にさえ装備されていなかった内容をコンパクトボディに搭載」し、長く乗れる高品質を目指した点にある。エンジンやシャシは不明だが、サイズは全長3500×全幅1550×全高1250mm、ホイールベースは2300mm、定員4名と公表されている。

■日産 セドリック/グロリア ターボ(市販車)

画像: 会場にはカットモデルも展示され、多くのギャラリーの注目を浴びていた。

会場にはカットモデルも展示され、多くのギャラリーの注目を浴びていた。

1979年6月にフルモデルチェンジした430型セドリック/グロリアに国産初のターボチャージャーモデルが追加されたのが同年10月。まさにモーターショーがデビュー会場となり、ターボパワーに期待を寄せる多くのファンが詰め掛けた。同時に11月発売予定の910型ブルーバードも参考出品され、510型を彷彿とさせる直線基調のボクシーなスタイルや、発売から4カ月後に登場予定のターボエンジン搭載モデルへの期待も重なり、日産ファンを歓喜させている。

■フォード プローブ

画像: イタリアン カロッツェリアが手がけた近未来的なスタイリングのフォード プローブ。

イタリアン カロッツェリアが手がけた近未来的なスタイリングのフォード プローブ。

イタリアン カロッツェリアのギアとフォードの共同企画によるデザインコンセプトカー。プローブの名は、フォードの実験車の名称として継承され、後にフォードとマツダのコラボレーションで製作され日本でも発売されたクーペの車名にも使われた。

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