激戦の様相を呈しているプラグインハイブリッド(PHV)市場。先行する欧州勢に向けたトヨタの回答はRAV4 PHVだった。そしてその先にあるのは…。

歴代でもっともパワフルなトヨタ RAV4はプラグインハイブリッド(PHV)

2019年10月10日、北米トヨタはRAV4をベースにした新型プラグインハイブリッドをロサンゼルスオートショー(2019年11月23日開幕)で公開することを公表した。

詳細は一切明らかにされていないが、「the most powerful RAV4 yet(歴代最強のRAV4)」とコメントされていることから、プリウスPHVとは異なるプラグインハイブリッドシステムが採用されている可能性が高い。さらに「will be celebrated by its spirited acceleration, nimble handling(快活な加速、軽快なハンドリングで好評を博すだろう)」ともあるので、前後輪をモーターで駆動するトヨタ初の4輪駆動PHVとなることが考えられる。

その詳細が明らかになる11月23日を待つしかなさそうだが、2020年以降にトヨタ RAV4 PHVが国内でも発売される可能性は非常に高い。

画像: ロサンゼルスオートショーで世界初公開されるRAV4 Plug-in Hybrid(PHV)。グリル、フロントバンパーまわりがPHV専用となる。

ロサンゼルスオートショーで世界初公開されるRAV4 Plug-in Hybrid(PHV)。グリル、フロントバンパーまわりがPHV専用となる。

トヨタがRAV4 PHVを投入する背景は? いよいよ本格化する電動化の波

トヨタは先代プリウスからプラグインハイブリッド(PHV)を発売していたが、これを追いかけるかのように、ここ数年で一挙に攻勢をかけているのが欧州勢だ。その背景にあるのが、欧州排出ガス規制の強化。2021年には乗用車のCO2排出量を現状から20%削減、さらに2030年には40%削減という高い目標が掲げられている。2020年規制はともかく、2030年規制では現状の内燃エンジンだけでは到達不可能と見られている。

本格的なBEV(=EV:電気自動車)の普及は2030年時点でもまだ10%前後(調査機関によって幅はある)と予想されており、内燃機関の必要性はまだまだ高い。そこでクローズアップされてくるのが、EV走行域を大幅に拡張したハイブリッド車=PHV(=PHEV)だ。

現在、国内メーカーでPHVを販売しているのは、トヨタ(プリウスPHV)、ホンダ(クラリティPHEV)、そして三菱(アウトランダーPHEV)。プリウスは先代モデルで2009年12月からリース販売を開始し、2012年1月から市販も開始。現行プリウスPHVは2代目となり、2017年2月から発売されている。また三菱のアウトランダーPHEVは世界初の4輪駆動PHEVとして2013年1月より市販されている。

一方、ホンダは2013年1月よりアコードプラグインハイブリッドを北米で先行発売、日本でも法人向けリース販売を開始(同年6月)、個人向けにも台数限定で販売された(同年12月)。現在、国内ではクラリティPHEVが市販されている。また現在のところ国内販売されていないが、北米で発売されているスバルのクロストレック(日本名:XV)ハイブリッドも、トヨタの技術供与によるPHVである。

いまや完全に市民権を得たHV(ハイブリッド)に比べて、国内メーカーによるPHVの数はまだ少ない。その点では欧州勢に出遅れた感は否めない。

だが、2020年〜2021年にかけて国内メーカー製のPHVは一挙に増殖する。今回紹介したRAV4 PHVをはじめ、日産、三菱さらに、スバルからも既存車種に加えて新型のPHVが登場する。ほかに量産BEV(電気自動車)の販売も本格的に始まる模様だ。本格的な電動化の時代は、もうそこまで来ている。

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