シトロエンから独創的なスタイルと乗り心地にこだわった2台のSUVが、ほぼ同時に日本に導入された。さて、その走りはどうだろうか。(Motor Magazine 2019年11月号より)

目をひくファニーでポップなフォルム

2019年に100周年を迎えたシトロエン。このフランスの老舗メーカーにこれまでSUVが存在しなかったというのが不思議だが、人気のSUVブームの波に乗るべく、「C3エアクロスSUV(以下、C3エアクロス)」と「C5エアクロスSUV(以下、C5エアクロス)」という海外ではすでに発売されている2モデルが日本に導入された。前者が7月16日、後者が5月28日で、ほぼ2カ月の間に2台のSUVを投入するという積極的な戦略に打って出た。

さて、まずは今回メインで試乗したC3エアクロスから紹介しよう。このモデルはC3をベースにしたコンパクトSUVで、やはりシトロエンのお家芸とも言える「コンフォート性能」にこだわって作られている。

とは言うものの、まずはその独創的なエクステリアデザインに目が行くことだろう。シトロエンのマークであるダブルシェブロンをあしらったグリルに超薄型のデイタイムランニングライトを配し、フロントマスクからはファニーでポップな印象を与えている。

画像: 細めのデイタイムランニングライトの下にヘッドライトを配置。

細めのデイタイムランニングライトの下にヘッドライトを配置。

エンジンはガソリンの1.2L直3ターボで、これが実に軽快に走ってくれる。パワーは110psだがこれで必要十分。全開時には3気筒特有の音が室内に届いてくるが、それもまたこのクルマのキャラクターには合っているように思える。

そしてこだわっているコンフォート性能についてだが、想像どおり乗り心地が良い。とくに荒れた路面を走ってみたが、足がとてもよく動いていて、うまく路面の突起をいなしている感じが伝わってくる。 

そしてもう一方のC5エアクロスにも試乗できたので、ミニインプレをご報告しよう。こちらの第一印象は、やはり乗り心地の良さだ。通常のダンパーにセカンダリーダンパーが追加された「PHC(プログレッシブ ハイドローリッククッション)」により、魔法のじゅうたんのような乗り心地を目指したとあるが、まさにそのとおり。

そしてソフトな乗り心地ながら、大きな入力に対しては踏ん張り感もあって、安心して走ることができた。2Lのディーゼルターボエンジンは低速から勢いのあるトルクで加速し、好印象だった。どちらも個性的で、他とは違うSUVに乗りたいという人にもオススメしたい。(文:加藤英昭)

画像: ピュアテック1.2L直3ターボエンジンに、アイシンAW製6速ATを組み合わせる。駆動はFFのみ。

ピュアテック1.2L直3ターボエンジンに、アイシンAW製6速ATを組み合わせる。駆動はFFのみ。

試乗記一覧

■シトロエン C3エアクロスSUV 主要諸元

●全長×全幅×全高=4160×1765×1630mm
●ホイールベース=2605mm
●車両重量=1310kg
●エンジン= 直3DOHCターボ
●排気量=1199cc
●最高出力=110ps/5500rpm
●最大トルク=205Nm/1750rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=6速AT
●車両価格(税込)=297万円

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