2019年11月1日金曜日(日本時間では2日土曜日)のフリー走行で第19戦アメリカGPが開幕する。前戦メキシコGPではフェラーリ、メルセデスAMGを圧倒しながらも敗れたレッドブル・ホンダにとって、ここは勝ちたいレース、勝つ可能性の高いレースとなる。2週連続の開催で、しかもシーズンは終盤、調子を上げているホンダにとっては大きなチャンスだ。(写真は2018年のアメリカGP)

ホンダF1復帰100戦目、そしてフェルスタッペンF1参戦100戦目

前戦メキシコGPから2週連続の開催となるアメリカGP。メキシコGPで素晴らしい走りを見せたホンダが、その勢いのままテキサス州オースティンに乗り込んできた。

アメリカGPが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズは、急勾配を駆け上がるターン1に、多様な高速コーナーとロングストレートなど見どころの多いサーキットで、昨年はマックス・フェルスタッペンが最後方から追い上げて2位に入るなど、レッドブルにとって相性のいいコース。

またトロロッソ・ホンダも、昨年は、パワーユニット交換を実施し決勝レースでは後方からのスタートになることが決定していたものの、予選で2台ともにQ2へ進出し、ピエール・ガスリーは全体で7番目となる好タイムを記録。レースでも後方から大きく順位を上げてポイントを獲得している。

ましてやホンダは現在絶好調。前戦メキシコGPではフェルスタッペンが予選で圧倒的なタイムをマークしている。ここは是が非でも勝ちたいところだろう。

画像: サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコース図。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコース図。

ホンダの田辺豊治 F1テクニカルディレクターはこのメキシコGPを前に「メキシコGP後の撤収作業は雷雨の中で大変なものとなりましたが、チームはアメリカGPが開催されるテキサス州オースティンに到着し、レースに向けた準備を開始しました。オースティンは小雨混じりで外気温8℃という状況ですが、週末に向けて天気は回復する予報が出ています。レースが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズは、アップダウンが多いことが一つの特徴で、特に急な登り坂の後に来る1コーナーはこのサーキットならではです。そして、それ以降のセクションには鈴鹿のS字など、他のサーキットの有名なコーナーを模したものが随所にレイアウトされていることも知られています。パワーユニットの観点では通常のサーキットと同様に、過去のデータをもとに最適化を進める形になります。インディカープロジェクトに長く携わっていましたので、ここ米国は私自身多くの思い出がある、第二のホームと感じられる場所です。今回はかつての同僚であるHPDのメンバーも多数訪れますので、ホンダ内でのレースカテゴリーの技術交流をさらに進めるという観点でも前向きなものにできればと思っています。また、今回はホンダが2015年にF1に復帰してから100戦目という、節目のレースとなります。ここまで積み重ねてきた歴史に恥じない結果を残せるようで臨みます」とコメント。

画像: アメリカGPでの各ドライバーの選択タイヤ。レッドブル・ホンダはふたりともハードタイヤを1セットしか持っていないことがどう出るか。ロングランのテストは行えないことになる。

アメリカGPでの各ドライバーの選択タイヤ。レッドブル・ホンダはふたりともハードタイヤを1セットしか持っていないことがどう出るか。ロングランのテストは行えないことになる。

ホンダ勢4人のドライバーもこのところのホンダのパフォーマンスにはいい感触を持っているようでアメリカGPに向けてコメントにもそれがよく現れている。

マックス・フェルスタッペン

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング5位。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング5位。

「今回は僕自身にとってもF1での100レース目になります。僕はアメリカが好きで、そのなかでもテキサスはお気に入りの一つです。サーキット自体も、新しいわりに路面がバンピーで、クラシックなコーナーが多く配置されているので、走っていてすごく楽しいです。去年も後方から表彰台に乗るといういいレースができましたし、僕たちのマシンはこのサーキットとの相性がいいはずです。ここではオーバーテイクもしやすいですし、あらゆることが起こり得ます。メキシコでの6位は僕らが望んだ結果ではなかったものの、マシンに速さはありましたし、序盤の不運を考慮すれば最後尾からの追い上げという意味ではいい結果でした」

アレクサンダー・アルボン

画像: アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング8位。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング8位。

「オースティンのサーキットでドライブしたことはないですが、いい話をたくさん聞いています。特に第一セクターは鈴鹿に似ていますし、楽しそうなレイアウトに見えます。グランプリ自体もとてもクールだと聞いていますし、メキシコよりももう少しダウンフォースをつけて走れることも楽しみにしています。僕はアメリカについてよく知らないので、文化や食事についてもワクワクしています。シミュレーターで走る限りはトラック路面はバンピーですが、もともとは沼地だったところに作られたことが原因のようです。こういったサーキットではリズムに乗って走ることが大事なので、できるだけ早い段階でその感覚をつかみたいです。ランオフエリアも多く、限界までプッシュしやすいサーキットですが、プッシュのし過ぎには気を付けます。メキシコはレースペースという点では、このチームに加わって以降ベストレースの一つでした」

ピエール・ガスリー

画像: ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング6位。

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング6位。

「昨年がオースティンでの初レースでした。2017年はタイトルのかかった日本のスーパーフォーミュラ最終戦に出場したのですが、レースは悪天候でキャンセルになってしまいました。その前にも、サードドライバーとして何度かオースティンに来ていたのですが、とても美しいサーキットで印象に残っていました。僕は鈴鹿のS字が大好きで、ランオフエリアは広いもののここにも似たようなセクションがありますし、前半のセクションは6~7速で流れるように抜けていくコーナーが続きます。F1マシンで走行するとかなり高速になるので、とてもエキサイティングです。また、ストレートに続く低速コーナーも複数あり、オーバーテイクも狙えます。特にターン1は上り坂でブレーキングし、進入がとても広いユニークなコーナーです。その急勾配でのブレーキングはなかなかないので、最初は不思議な気分でしたし、コーナーのエイペックスが見えないので、どこでどうターンインしていくかをきちんと把握しておかなければなりません。さらに、高速セクションでは、最初のコーナーを正確にクリアしないと、その後に影響してしまいます。そして、低速コーナーはとてもテクニカルで、ブレーキングポイントも難しく、ステアリング操作も多くなります。ターン15などで、ロックアップしてしまうドライバーも多いので、正確なブレーキングが必要ですが、オーバーテイクポイントは2~3か所あります。昨年は雨が降ったのを覚えていますが、ここは天候の予測が難しい場所でもあるので、今年はどうなるか様子を見ていきたいと思います」

ダニール・クビアト

画像: ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング13位。

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング13位。

「サーキット・オブ・ジ・アメリカズは、いろいろな意味で魅力的なサーキットです。さまざまな特性を持つセクションで構成され、序盤は高速区間で、ターン1は急勾配を駆け上がる面白いコーナーです。さらに、高速のS字や長いストレートが組み合わされ、バトルも活発になります。最終区間はツイスティで、低速コーナーでは最適なマシンセットアップとダウンフォースレベルを見つけているのかが試されるので、ここもまた面白いですし、こうしたすべての要素が試されるサーキットです。また、コース幅が広く、いくつかのコーナーでは複数のラインが取れます。なかでも、ターン1では入口が広いのでオーバーテイクが可能ですし、過去にもここで面白いバトルが見られました。サーキットでは多くのファンがいい雰囲気を作り出してくれますし、レースが楽しみです」

F1第19戦アメリカGPは、11月1日金曜日11時(日本時間2日<土>01時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は11月2日16時(日本時間3日<日>06時)、決勝は11月3日13時10分(日本時間4日<月>04時10分)に開始される。

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)363
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)289
3位 C.ルクレール(フェラーリ)236
4位 S.ヴェッテル(フェラーリ)230
5位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)220
6位 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)77
※メキシコGP終了時

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 652
2位 フェラーリ 466
3位 レッドブル・ホンダ 341
4位 マクラーレン・ルノー 111
5位 ルノー 73
6位 トロロッソ・ホンダ 64
※メキシコGP終了時

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