2019年11月15日、F1第20戦ブラジルGPがサンパウロ郊外のインテルラゴス・サーキットで開幕する。チャンピオン争いは決したが、だからこそドライバー同士の純粋な激しい戦いが見られそうだ。(写真は2018年のブラジルGP、住宅街の中にあるインテルラゴス・サーキットの特徴的な風景)

予想の難しいグランプリ、今年もなにかが起きる?

ブラジルGPが行われるインテルラゴス・サーキット(正式名称はアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ)は、インテル(=インター)=間、ラゴス=湖という言葉が示すとおり、サンパウロ近郊のふたつの人工湖のほとりにある。正式名称のアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェは、ブラジル出身のF1ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェに由来する。

1940年にオープン、F1初開催は1972年と設計が古いこともあり、コース幅が狭く、遅いマシンに引っかかるとタイムのロスとなる。一周約4kmとコースは短く完全な直線部分は短いが、13コーナーから1コーナーまでの緩くコーナリングする「ロングストレート」(F1マシンではスロットル全開となる)が名物コーナーとなっている。最大のオーバーテイクポイントはその「ロングストレート」終わりにある1コーナー。ここは丘の頂点になっており、コースオフするクルマも多い。変わりやすい局地的天候もやっかいで、これまで多くの劇的なレースが展開されてきた。標高は800mと高いが、メキシコGPに比べればマシンへの影響は少ない。

純粋な直線部分は少ないが、アップダウンがありパワーも要求されるコースレイアウトで、パワーと効率、ドライバビリティをどうバランスさせていくかがこのサーキットでのポイントとなる。

画像: インテルラゴス・サーキットのコース図。13コーナーから1コーナーまでの緩くコーナリングする「ロングストレート」が有名。

インテルラゴス・サーキットのコース図。13コーナーから1コーナーまでの緩くコーナリングする「ロングストレート」が有名。

ちなみに、昨年2018年のブラジルGPはメルセデスAMGのルイス・ハミルトンがポールトゥウインで優勝を飾っている。5番手からスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが40周目にハミルトンをパスしてトップに立ったが、44周めのターン1で周回遅れのエステバン・オコン(フォースインディア)と接触してコースオフ、勝利をほぼ手中に収めながら、マシンを痛めて2位に終わった。トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは11位、ピエール・ガスリーは13位だった。

2018年 ブラジルGP 予選結果(参考)

1位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:07.281
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:07.374
3位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:07.441
4位 7 K.ライコネン(フェラーリ) 1:07.456
5位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル) 1:07.778

2018年 ブラジルGP 決勝結果(参考)

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル)
3位 7 K.ライコネン(フェラーリ)
4位 3 D.リカルド(レッドブル)
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)

タイヤを供給するピレリは、ブラジルGP開幕にあたって「この時期のインテルラゴス・サーキットの気候は変わりやすいことで知られています。過去には、シーズンで最も高い路面温度を記録したこともありますし、集中豪雨もありました。アスファルトは2014年に全面的に再舗装され、路面の粗さはほぼ平均的なものになりました。この反時計回りのサーキットでは右前のタイヤに負担がかかります。昨年はルイス・ハミルトンはスーパーソフトでスタートしミディアムに交換、このワンストップが勝利戦略となりました。しかし、多くのバリエーションがあり、いくつかの異なる戦術的アプローチが見られました。また全長が短いサーキットは多くの追い越しが発生することを意味し、これもタイヤに負担をかけることなります。これに変動する天候とセーフティカーの可能性も加味すると、予測できない週末になる傾向があります」と分析している。

画像: ブラジルGPでの各ドライバーの選択タイヤ。

ブラジルGPでの各ドライバーの選択タイヤ。

例年チャンピオン決定の舞台となることが多いブラジルGPだが、今年はドライバーズチャンピオンもコンストラクターズチャンピオンもすでに決定済み。しかし、2位、3位争いは激しく、とくに、シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン、セバスチャン・ヴェッテルが繰り広げるであろうバトルは興味深い。

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)381
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)314
3位 C.ルクレール(フェラーリ)249
4位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)235
5位 S.ヴェッテル(フェラーリ)230
6位A.アルボン (レッドブル・ホンダ)84

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 695
2位 フェラーリ 479
3位 レッドブル・ホンダ 366
4位 マクラーレン・ルノー 121
5位 ルノー 83
6位レーシングポイント・メルセデス 65
※アメリカGP終了時

F1第20戦ブラジルGPは11月15日11時(日本時間23時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は11月16日15時(日本時間17日03時)、決勝は11月17日14時10分(日本時間18日02時10分)に開始される。

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