2019年11月16日(日本時間17日)、F1第20戦ブラジルGP予選がインテルラゴス・サーキットで行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。フェルスタッペンは予選Q1からライバルを終始リードする素晴らしいタイムを連発、ポールポジションはハンガリーGP以来自身2度目となる。チームメイトのアレクサンダー・アルボンは6番手、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは7番手につけた。

ホンダにとって1991年以来、28年ぶりのブラジルGPの予選トップ

ホンダのパワーユニットがメルセデス、フェラーリを圧倒するパフォーマンスを見せつけた。

トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトはわずか0.03秒届かずQ1敗退となったが、そのほかのホンダパワーユニット勢3台は無事にQ2へと進出。クビアトはごったがえす中団争いの中でマシンバランスに悩まされ、ミスが重なったことも響いて、Q2への進むことができなかった。

ホンダパワーユニット勢3台は、その後行われたQ2も突破。7番手から15番手までの差が0.3秒という中、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーも素晴らしいアタックを見せ8番手でQ3への進出を決めている。

Q3ではトップ集団の僅差の争いの中、フェルスタッペンが圧倒的なパフォーマンスを披露。ストレートでライバルを引き離し、最終のアタックラップでもトップ集団の他のマシンと0.1秒の差をつけ、自身2度目となるポールポジションを獲得した。また、フリー走行3回目でトップタイムをマークするなど好調なアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)はポールポジションから0.4秒差の6番手。Q3でも速さを見せたガスリーは、アルボンに次ぐ7番手タイムでフィニッシュした。

なお、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のパワーユニット交換のグリッド降格ペナルティにより、決勝ではアルボンが5番グリッド、ガスリーが6番グリッドからのスタートとなる。

画像: ブラジルGPでポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。

ブラジルGPでポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。

予選を終えてホンダの田辺豊治 F1テクニカルディレクターは「素晴らしい予選結果になりました。レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が終始速さを見せ、今季2度目のポールポジションを獲得してくれました。チームメートのアルボン選手も初めての走行となったこの難しいサーキットで、十分にコンペティティブなタイムを出してくれたと思います。また、トロロッソ・ホンダのガスリー選手は4戦連続のQ3進出を果たし、アルボン選手に次ぐ7番手につけました。クビアト選手は小さなミスのために非常に僅差でのQ1落ちとなりましたが、ロングランペースは悪くないので、決勝レースでは巻き返しを見せてくれると思います。決勝は71周と長いレースになります。今日の予選で得たポジションを確実にレース結果に結びつけられるよう、万全の準備をして臨みたいと思います」と自信たっぷり。ホンダ勢のドライバー4人は次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選ポールポジション。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。予選ポールポジション。

「ポールポジションにはとても満足しています。車体もエンジンも非常に力強いパフォーマンスを見せてくれました。昨晩の作業でいくつかの改善に取り組み、さらにFP3のあとにもいくつか設定を変更して、予選ではマシンが非常にいい動きを見せるようになりました。Q1の初めからマシンは飛んでいきそうなくらいの速さを見せており、Q3では温度が上昇して少し難しいコンディションだったにもかかわらず、いい感触で走れていました。(テクニカルな)第二セクターでベストタイムを出し、2番手に0.1秒以上の差をつけてのポールは、チームとホンダのパフォーマンスが非常に力強いことを示しています。いつもレースで僕たちのマシンは速いので、明日もそうなると思います。ここでのドライビングは本当に楽しいですし、明日のレースもエキサイティングになるはずです。レースを楽しめればと思っていますし、あとはレースを終わらせるだけです」

アレクサンダー・アルボン

画像: アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。予選6番手、決勝5番グリッドスタート。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。予選6番手、決勝5番グリッドスタート。

「全体としては悪くない予選でしたが、それでも最後の部分でもっときっちりまとめなければいけないと感じています。確かにここで走るのは僕にとっては初めてでしたが言い訳はしたくないですし、そもそも言い訳をするのはあまり好きではありません。ここは長いストレートと低速コーナーが混ざった難しいサーキットです。でも、攻め甲斐のあるサーキットです。タイヤの温度変化にも敏感なサーキットなので、一つのコーナーでミスをするとそれがその後の4つか5つのコーナーにまで影響します。僕の2回目のアタックでも2コーナーで少しアウト側に弾かれてしまっただけで、周回の残りのパートでタイヤに熱が入りすぎてしまいました。こんなサーキットはほかにはあまりないですし、ここでドライブするのは楽しいのですが、ただ今日はもっと速く走りたかったという思いはあります。マックス(フェルスタッペン)は素晴らしい走りをしてくれました、チームにとって素晴らしい結果で予選の締めくくることができました。僕たちのレースペースはいいですし、ルクレール選手(フェラーリ)のペナルティにより5番グリッドからのスタートになるので、決勝はトップ争いに食い込んでいけると信じています」

ピエール・ガスリー

画像: ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。予選7番手、決勝6番グリッドスタート。

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。予選7番手、決勝6番グリッドスタート。

「予選結果にはとても満足しています。チームが僕に速いマシンを与えてくれたことに非常に感謝しています。今日の予選7番手のポジションは中団のポールポジションのようなものなので、僕たちが獲得できるベストなリザルトだったと思います。非常に接戦になることはわかっていたので、4戦連続でのQ3進出はとてもうれしいです。マシンの感触は週末を通していいですし、あとは明日のレースにフォーカスし、できる限りのポイントを獲得してレースウイークエンドを終えられればと思っています」

ダニール・クビアト

画像: ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。予選16番手。

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。予選16番手。

「予選は残念な結果になりました。フリー走行3回目での感触はよかったので、ポジティブな気持ちで予選に臨みましたが、予選ではマシンのバランスが崩れてしまったようでした。Q1での2回目のアタック時にいくつかミスをしてしまい、1回目のタイムを上回ることができませんでした。何が起こったかはよくわかっていないのですが、リズムをつかむことができず、きちんとセッションをまとめることができませんでした。16番グリッドは理想的ではないですが、基本的にペースは悪くないですし決勝はベストを尽くして戦いたいと思います」

なお、タイヤを供給するピレリはブラジルGP決勝について「机上の計算ではありますが、最速の戦略はソフトタイヤでスタートし、26から29周でハードタイヤに交換して走り切るワンストッパーです。2番目に速い戦略は、ソフトタイヤでスタートし、34〜37周でミディアムを交換するものと考えられます。 ただし、これは実際には2ストッパーとあまり変わらないでしょう。2ストッパーとはソフト-ソフト-ミディアムというものですが、これは任意の順序で実行できます。決勝時の気温が高くなると予想されるため、タイヤの挙動、ひいてはレース戦略にさらに影響を及ぼす可能性もあります」と分析している。

画像: ピレリが推奨するブラジルGPのタイヤ戦略。

ピレリが推奨するブラジルGPのタイヤ戦略。

第20戦ブラジルGP決勝は11月17日14時10分(日本時間18日02時10分)にスタートする。

F1第20戦ブラジルGP予選結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:07.508
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:07.631
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:07.699
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:07.728
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:07.874
6位 23 A.アルボン(レッドブル・ホンダ) 1:07.935
7位 10 P.ガスリー(トロロッソ・ホンダ) 1:08.837
8位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ) 1:08.854
9位 7 N.K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ) 1:08.984
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) 1:09.037

16位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)

※ C.ルクレール(フェラーリ)はパワーユニットエレメント交換のため10グリッド降格。

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