2019年11月17日(日本時間11月18日未明)、F1第20戦ブラジルGPの決勝がンパウロ郊外のインテルラゴス・サーキットで開催され、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが圧倒的な速さを見せてシーズン3勝目をあげた。2位にはトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが入り、ホンダのエンジン搭載車が、1991年の日本GPのマクラーレン・ホンダ以来となる1-2を達成した。

2度の後退もなんの、驚速フェルスタッペン完勝

予選で圧倒的な速さを見せつけて今季2度目のポール・ポジションを獲得したフェルスタッペンとレッドブル・ホンダの強さと速さは、レースでも不変だった。

好スタートでレースの主導権を握ると、なんとかそのペースについていけたのは3番グリッドからのスタートでセバスチャン・ヴェッテル(フェラーリ)をかわしていた王者ハミルトンのみ。そのハミルトンは1回目のタイヤ交換で自らが先にピットインして先行車をかわす「アンダーカット」を仕掛け、それに対応して翌周にタイヤ交換したフェルスタッペンがピット出口でロバート・クビサ(ウイリアムズ)に邪魔されたため、目論見通り、首位を奪った。

しかし、ここからフェルスタッペンが新品のソフトタイヤで脅威のアウトラップを披露する。あっという間にハミルトンに詰め寄ると、翌周のターン1で鮮やかなオーバーテイクを見せて首位を取り戻したのだ。

そしてレース終盤、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がトラブルでコース脇にマシンを止めたことで出たセーフティカーでは、今度はチームが見事な判断力を発揮。この日3度目となるピットストップを敢行してフィニッシュまで不安のあったミディアムタイヤからソフトに履き替える。これでステイアウトしたハミルトンが再び首位に立つことになったが、フェルスタッペンはグリーンフラッグ後にを難なく首位を奪い返して、長く続いた優勝争いに決着をつけた。

レッドブル・ホンダにとっては相性が良いと思われたコースでのシーズン3勝目だったが、フェルスタッペンが予想以上にライバルを圧倒したことで、残す最終戦だけでなく、来季への期待が膨らむ勝利となった。

画像: ライバルを速さで圧倒して優勝したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。

ライバルを速さで圧倒して優勝したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。

フェラーリ同士討ちで、ホンダが1-2を達成

優勝争いは決したが、2位以降の争いはまだまだ続いていた。レース終盤のセーフティカーでハミルトンがミディアムタイヤのままステイアウトしたことで、この時点でソフトタイヤを履いていた後続のアレクサンダー・アルボン(レッドブル)、ヴェッテルとシャルル・ルクレールのフェラーリ勢にもチャンスが生まれたのだ。

だが、タイヤのライフ的にも最も有利だと思われていたフェラーリ2台がここでなんと接触。ともにタイヤをバーストさせてクルマを止めてしまう。これで再び出されたセーフティカーでハミルトンがタイヤ交換に入ったことで、順位はフェルスタッペン-アルボン-ピエール・ガスリー(トロロッソ)のホンダ・パワーユニット勢の1-2-3となった。

しかしレースは、さらにここからもうひと波乱。4番手でコースに復帰したハミルトンが素早くガスリーをかわし、さらにアルボンに仕掛けたが、インフィールドで両者は接触してしまったのだ。

アルボンはスピン、ハミルトンもガスリーに先行されるという展開になり、ガスリーは自身初の表彰台を獲得、レッドブル・ホンダの1-2はならなかったものの、「ホンダ1-2」を実現させた。

3位でフィニッシュしたハミルトンにはレース後、アルボンとの接触の非があるとして5秒のタイムペナルティが課され、7位に後退している。

最終戦第21戦アブダビGPは12月1日、ヤス・マリーナ・サーキットで開催される。

画像: 2位入賞のピエール・ガスリー(トロロッソ)。自身初のF1表彰台。

2位入賞のピエール・ガスリー(トロロッソ)。自身初のF1表彰台。

F1第20戦ブラジルGP決勝 結果

優勝 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 71周
2位 10 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)+6.077s
3位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+8.896s
4位 7 K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)+9.452s
5位 99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ・フェラーリ)+10.201s
6位 3 D.リカルド(ルノー)+10.541s
7位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+11.139s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+11.204s
9位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス)+11.529s
10位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+11.931s

14位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+14.927s

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)387
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)314
3位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)260
4位 C.ルクレール(フェラーリ)249
5位 S.ヴェッテル(フェラーリ)230
6位 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)95

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 701
2位 フェラーリ 479
3位 レッドブル・ホンダ 391
4位 マクラーレン・ルノー 140
5位 ルノー 91
6位トロロッソ・ホンダ 83

This article is a sponsored article by
''.