2019年11月29日に開幕するF1第21戦アブダビGP。マックス・フェルスタッペンの2連勝はあるのか。圧倒的なパフォーマンスを見せはじめたホンダのパワーユニットの真価が問われる1戦となる。ひょっとしたらホンダの時代はもう始まっているのかもしれない。(写真は2018年のアブダビGP。フェルスタッペンは3位に入っている)

フェルスタッペン連勝の可能性は高い!?

ブラジルGPで優勝、そして1-2フィニッシュを達成したホンダは、その勢いを持ったまま最終戦アブダビGPに向かう。

アブダビGPが行われるヤスマリーナサーキットは、90度コーナーとロングストレートで構成されたコースレイアウト、中東特有の高温とダスティな路面、夕刻にスタートする独自のレースフォーマットも特徴となる。そう考えると、ブラジルGPとは大きく異なる部分もあり予断を許さないが、そのパフォーマンスを見る限り、レッドブル・ホンダが優勝候補の筆頭にあげられるのは間違いないだろう。

ホンダにとっては、秋に入ってからは勝つチャンスを逃すなど、しばらくもどかしいレースが続いていただけに、連勝でシーズンを締めくくりたいところだ。

画像: F1第21戦最終戦アブダビGPが行われるヤスマリーナサーキットのコースレイアウト。

F1第21戦最終戦アブダビGPが行われるヤスマリーナサーキットのコースレイアウト。

ホンダ田辺豊治 F1テクニカルディレクターは、最終戦アブダビGPについて「いよいよ2019年シーズン最終戦、アブダビGPが始まります。2月のウィンターテスト初日から285日、まだまだやり残したと思うこともたくさんあり、正直あっと言う間の1年でした。今年は2015年のF1復帰以降、我々としては初めて2チームへパワーユニット供給を行いました。昨年からパートナーシップをスタートしたトロロッソ・ホンダ、今年から供給を開始したレッドブル・ホンダとともに、いい形でシーズンを通して前進を遂げられたと思います。先日のブラジルGPでの両チームとの1-2フィニッシュは、今年の進歩を象徴するひとつのハイライトになりました。今回レースが行われるヤスマリーナサーキットは1.2kmという長いバックストレートと、多くの90度コーナーが配されていることが特徴です。また、レースと予選は気温が下がった夕暮れ時に開催されるトワイライトレースである一方、フリー走行1回目とフリー走行3回目は日中の気温が高い状況で行われるため、車体、パワーユニットともにセッティングを煮詰めていくことが難しいグランプリでもあります。ブラジルでのよい結果から得た勢いを維持し、さらなる挑戦の気持ちを持ち、シーズンを締めくくる最終戦にチーム一丸となって向かいます。悔いを残すことなく、来年に繋がるレースをできればと思っています」とコメント。ホンダ勢4人のドライバーはアブダビGPに向けて次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング3位。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング3位。

「ブラジルでの素晴らしい週末を終えて、チームの士気はとても高まっています。インテルラゴスのような高速コーナーの続くサーキットから、タイトでツイスティーなヤスマリーナへと変わるので、ブラジルとまったく異なるマシンセットアップが必要です。また、アブダビではいつも難しいことなのですが、ナイトレースになるため、予選・決勝と同じ時間帯で行われてコンディションも似ているフリー走行2回目が、とても重要なセッションになります。振り返れば、今季ホンダと初めてのシーズンは、満足できるものだと思います。願わくは、今週末いい結果を残して、クリスマス、そして新年の休暇へと向かいたいですね!」

アレクサンダー・アルボン

画像: アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング8位。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)。ドライバーズランキング8位。

「アブダビは好きですし、ヤスマリーナはとてもよく知っているサーキットです。ほかのみんなは見方が違うかもしれませんが、僕は気に入っています。最終セクターがなかなかよくて、テクニカルなセクションでどのコーナーも互いによく似ているので、ひとつうまくクリアできれば、ほとんど同様に抜けられます。今週末は、2つの理由からいつもと違った雰囲気になると思います。ひとつは、シーズン最終戦であること。みんなクリスマス休みで休息が取れるのを楽しみにしているはずです。そしてもうひとつは、アブダビでF2やF3といったジュニアカテゴリーの王座が決まることです。僕もF1に来る前には参戦していました。この大会が終われば、テストがありますが、まずは今季を力強い結果で締めくくり、その勢いを2020年へつなげていきたいです」

ピエール・ガスリー

画像: ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング6位。

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング6位。

「僕たちトロロッソにとっては、コンストラクターズ選手権でひとつでも上の順位を手に入れるために、とても重要な戦いですし、僕自身も、ドライバーズランキングでトップ3チーム以外での最上位を目指します。僕ら自身のプライドと、選手権上位になって今季ここまでの向上、そして来シーズンに向けてパフォーマンスレベルを示すためにも、いい形でシーズンを終えたいと思います。今週末のランキングをかけた戦いはエキサイティングなものになると思います。このヤスマリーナではGP2時代に優勝経験がありますが、F1ではあまりいい結果を残せていません。ただ、コースは好きで、とくにテクニカルな最終セクターを気に入っていて、流れるようなリズムで走る感じが好きです。また、寒いヨーロッパから来るので、温暖な気候もうれしいです。そして、GP2のタイトルを決めた思い出の場所でもあります。もちろん、夜にレースが行われるので、コクピット内は少し涼しいですし、同じナイトレースでもシンガポールほど過酷ではありません。レースは厳しい戦いとなりますし、コンディションは一定しないので、マシンをうまくコントロールしなければなりませんが、それもまた楽しみです」

ダニール・クビアト

画像: ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング14位。

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。ドライバーズランキング14位。

「アブダビには2013年には優勝してGP3のタイトルを決めた思い出があります。そこからトロロッソ入りすることになりました。最高の瞬間でした。この最終戦は、好結果を出してより上位でシーズンを終えるチャンスがあります。ヤスマリーナのコースはいつも楽しいです。ランオフエリアが広すぎではありますが、レイアウトはとても面白くて、いくつものラインが取れますし、最終セクターはとてもチャレンジングです。照明の中でレースをするのもいいですし、夜のレースを楽しむことができます。さらに、コースはオーバーテイクポイントがいくつかあり、最終戦でいいレースを見せるために、できる限りプッシュしようと思います。前戦のブラジルは、僕自身は望んでいた結果になりませんでしたが、チームにとっては素晴らしい結果となりました。全力を尽くして戦っても、それがうまくいかないこともあります。シーズン最終戦は常にエキサイティングな展開になりますが、終わってしまう寂しさも少し感じます」

F1第21戦アブダビGPは11月29日13時(日本時間18時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は11月30日17時(日本時間22時)、決勝は12月1日17時10分(日本時間22時10分)に開始される。

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)387
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)314
3位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)260
4位 C.ルクレール(フェラーリ)249
5位 S.ヴェッテル(フェラーリ)230
6位 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)95
※ブラジルGP終了時

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 701
2位 フェラーリ 479
3位 レッドブル・ホンダ 391
4位 マクラーレン・ルノー 140
5位 ルノー 91
6位トロロッソ・ホンダ 83
※ブラジルGP終了時

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