メルセデス・ベンツ SUVの中核モデルであるGLCがマイナーチェンジされた。そのアップデートぶりを、実際に試乗して確認してみることにしよう。

内外装をブラッシュアップし、インフォテインメントシステムも充実

画像: マイナーチェンジで顔つきを一新。試乗車はAMGラインを装着して、よりSUVらしさを強調している。

マイナーチェンジで顔つきを一新。試乗車はAMGラインを装着して、よりSUVらしさを強調している。

メルセデス・ベンツのSUVの中で、日本でいちばん売れているのはGLCだという。GLCのルーツは、2008年にデビューしたGLKだ。メルセデス・ベンツの車名体系の変更に伴い、2015年にフルモデルチェンジ(日本では2016年)されたとき、車名をGLKからGLCに変更した。GLはメルセデス・ベンツのSUVを、CはCクラスを意味する。簡単に言ってしまえた、CクラスのSUV版ということになる。翌2017年には、クーペモデルも追加設定された。

そんなGLCが2019年10月にマイナーチェンジされた。パワートレーンなどに大きな変更はないが、エクステリアやインテリアのデザインを刷新した。エクステリアでは、クローム仕上げのアンダーガードと、ボンネット上の2本のパワードームが、SUVらしさを強調している。今回の試乗車はAMGラインを装着しており、フロントグリルは台形型となりダイヤモンドグリルとシングルルーバーも備えて、さらにスポーティさを強調している。リアもバンパーやリアコンビランプなどのデザインが変更されている。

画像: クーペのリアビューはノーマルのGLCとかなり異なり、サイズも65mm長く30mm幅広く45mm低い。

クーペのリアビューはノーマルのGLCとかなり異なり、サイズも65mm長く30mm幅広く45mm低い。

インテリアでは、センターダッシュ上部に10.25インチのワイドディスプレイが備わり、ナビゲーションやエンターテインメントなどの情報を表示する。ステアリングのスポーク部には、メーター表示やナビゲーション、オーディオなどの設定を操作できるタッチコントロールボタンも備え、慣れれば運転中でもブラインドで操作できるのは便利だ。

また、「ハイ、メルセデス!」でおなじみとなった対話型インフォテインメントシステムのMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)も標準装備された。このMBUX、新たなモデルに搭載されるたびに進化しているようで、今までに何車種かで試しているが、だんだんと反応が良くなっているような気がする。ちなみに、このMBUXにはさまざまな隠しコマンドがあり、質問によってはけっこう面白い返答をしてくれるのだが、それはオーナーになったらぜひ試してみて欲しい。

画像: センターダッシュ上部に10.25インチのワイドディスプレイが備わるGLC220dのインテリア。シフトはコラム式AT。

センターダッシュ上部に10.25インチのワイドディスプレイが備わるGLC220dのインテリア。シフトはコラム式AT。

さて、今回の試乗車はGLC 220dとGLC 300クーペ。前者は2L(1949cc)の直4ターボディーゼル、後者は2L(1991cc)の直4ガソリンターボを搭載。もちろん駆動方式はどちらも4WDの4MATIC。試乗コースは比較的アップダウンがあり、適度に曲がった地方道が中心。道幅はさして広くないから1900mm(クーペは1930mm)の車幅は少々気になるが、目線が高く視界が良いので運転はしやすい。

GLC 220dのディーゼルターボはマイチェン前よりディーゼル特有のサウンドが低められているようだ。低速域からトルクフルで扱いやすさに変わりはない。GLC 300のガソリンターボはディーゼルターボほどの低速トルクはないが、伸びの良さが信条だ。コーナーを抜けたあとに少しだけ高回転まで引っぱると、そのエキゾーストノートはなかなか小気味良いもの。どちらもフットワークは良く、SUVではあるが背の高いスポーティモデルといった印象を受ける。

画像: ガソリンエンジンらしい高回転まで伸びやかに回るフィールがいいGLC300クーペ。サウンドもいい。

ガソリンエンジンらしい高回転まで伸びやかに回るフィールがいいGLC300クーペ。サウンドもいい。

安全運転支援システムのインテリジェントドライブも標準装備し、すべてのコンポーネントをメルセデス最新のものにアップデートされたGLC。これ1台ですべてをまかなうことができる、オールラウンドな1台だ。クーペのほうがスタイリッシュだが、リアシートに人を乗せる機会が多いなら、普通のGLCを選んだほうが無難だろう。経済性なら220dだが、300のフィールも捨てがたい。もちろん、予算が許せばAMGという選択もあるが。

なお、電動化を進めるメルセデス・ベンツは、2019年の東京モーターショーで燃料電池プラグインハイブリッド車のGLC F-CELLを日本初公開し、2020年の中ごろには発売を予定していると発表した。こちらも楽しみな1台だ。(文:篠原政明/写真:井上雅行)

画像: ノーマルかクーペかは、スタイルの好みとリアシートの使い方で選択が決まるだろう。

ノーマルかクーペかは、スタイルの好みとリアシートの使い方で選択が決まるだろう。

試乗記一覧

メルセデス・ベンツ GLC 220d 4MATIC 主要諸元

●全長×全幅×全高:4665×1900×1645mm
●ホイールベース:2875mm
●重量:1950kg
●エンジン種類:直4 DOHCディーゼルターボ
●排気量:1949cc
●最高出力:143kW<194ps>/3800rpm
●最大トルク:400Nm<40.8kgm>/1600-2800rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:縦置きフルタイム4WD
●WLTCモード燃費:15.1km/L
●タイヤサイズ:235/60R18
(AMGラインは前235/55R19、後255/50R19)
●税込価格:690万円

メルセデス・ベンツ GLC 300 4MATIC クーペ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4730×1930×1600mm
●ホイールベース:2875mm
●重量:1890kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1991cc
●最高出力:190kW<258ps>/5800-6100rpm
●最大トルク:370Nm<37.7kgm>/1800-4000rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:縦置きフルタイム4WD
●WLTCモード燃費:10.7km/L
●タイヤサイズ:235/60R18
(AMGラインは前235/55R19、後255/50R19)
●税込価格:807万円

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