令和も2年を目前に、すでに平成も遠くなった感があるが、平成時代は自動車メーカーがその時々の技術の粋を集めて、走行性能、安全性能を高めた時代といえる。ここではそんな平成のテクノロジーを7回にわたって見ていこう(タイトル画像はレーンキープサポートシステムを搭載した日産シーマ)。

平成13年(2001年)
レーンキープサポートシステム ●搭載車種:日産シーマ

画像: レーンキープサポートシステムは世界初のステアリング支援システム。後に登場する同社のプロパイロットシステムの基盤ともいえる。

レーンキープサポートシステムは世界初のステアリング支援システム。後に登場する同社のプロパイロットシステムの基盤ともいえる。

直線路走行時、クルマが車線に沿って走行するようにハンドルに力を加えて、ドライバーのハンドル操作を支援するのがレーンサポートシステムだ。仕組みは車線検出センサー(カメラ)およびハンドル舵角、車速から、車線のほぼ中央を走行するための力を算出し、その一部を補助的にハンドルに加えるもので、クルマが車線から逸脱しそうになると、音と表示により警告する。これが世界初のステアリング支援システムとなり、後の同社の運転支援技術「プロパイロット」につながる。

平成16年(2004年)
SH-AWD ●搭載車種:ホンダ レジェンド

画像: SH-AWDは、電磁クラッチにより前後と後輪左右の駆動力を適正に配分し、高い駆動力とスムーズなコーナリングを実現するシステムだ。

SH-AWDは、電磁クラッチにより前後と後輪左右の駆動力を適正に配分し、高い駆動力とスムーズなコーナリングを実現するシステムだ。

世界初の前・後輪の駆動力配分制御と後輪左右駆動力を独立に制御する4WDシステムで、ホンダ レジェンドに採用された。ドライバーの運転操作や走行状況から最適な前後左右の駆動力配分を判断し、リアデフ内のダイレクト電磁クラッチにより、前後配分を30対70から70対30、後輪左右配分を100対0から0対100まで無段階制御する。駆動力を走るためでなく旋回にも利用することで車両の運動性能を向上させた。さらにドライバーのステアリング操作に忠実な旋回性能や高い車両安定性の実現を図っている。後にモーターと組み合わせたSPORT HYBRID SH-AWDに進化し2014 年登場のレジェンドや2016 年登場のNSXなどにも採用されることになる。

平成19年(2007年)
インテリジェントアラウンドビューモニター ●搭載車種:日産エルグランド

画像: 現在は当たり前の装備となった駐車時のカメラ支援の端緒となったのがインテリジェントアラウンドビューモニターだ。

現在は当たり前の装備となった駐車時のカメラ支援の端緒となったのがインテリジェントアラウンドビューモニターだ。

運転席ディスプレイに自車両を上方から俯瞰したような画像を表示することにより、前後左右の方向感覚を把握しやすくし、よりスムーズな駐車ができるようにしたシステムがインテリジェントアラウンドビューモニターだ。エルグランドが世界で初めての搭載車となった。これは日産の研究のみならず、ソニーの130万画素CMOSセンサーと180度のレンズを搭載した高解像度・超広角カメラ、Xanaviによる俯瞰画像変換技術を取り入れたコントローラーなどがあって成り立つ。登場以降は駐車の苦手なドライバーだけでなく、便利な機能として一般的に普及していく。

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