クルマ好きなら一度は憧れたことのあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第8回は「ランボルギーニ シルエット」だ。

ランボルギーニ シルエット(1976-1979年)

画像: ランボルギーニらしい攻撃的なスタイルと北米で人気のデタッチャブルルーフを備えるが、308GTSより割高だったためか人気は今ひとつだった。

ランボルギーニらしい攻撃的なスタイルと北米で人気のデタッチャブルルーフを備えるが、308GTSより割高だったためか人気は今ひとつだった。

前回に紹介したランボルギーニ ウラッコが発売されてから3年。北米市場では相変わらずポルシェ 911の人気は根強く、ウラッコの販売は期待どおりとはいかず伸び悩んでいた。そこでランボルギーニ社では北米市場でのテコ入れのために、2シーターのオープンモデルを開発する。

今回のターゲットはポルシェ 911ではなく、「スモール フェラーリ」と呼ばれたフェラーリ 308、そのタルガトップモデルであるGTSに変更された。こうして生まれたのが、1976年のジュネーブ モーターショーで発表された「シルエット」だ。他のランボルギーニ車とは異なり、その車名は日本でも馴染みのある言葉「シルエット」が語源のようで、綴りも「Silhouette」で変わらない。

ベース車はウラッコだが、前後のオーバーフェンダーやエアロパーツを装着し、タイヤは前後異サイズのピレリP7を履かせるなど、おとなしめだったウラッコの外観に対し、かなり迫力を増している。スタイリングを手がけたのはベルトーネ。トップはFRP製の脱着式で、取り外せばフェラーリ 308GTS同様のタルガトップとなった。

画像: 横長で特徴的だったウラッコのインパネに対し、シルエットはメーターフードを備えたタイプに変更されていた。

横長で特徴的だったウラッコのインパネに対し、シルエットはメーターフードを備えたタイプに変更されていた。

基本メカニズムもウラッコP300に準じており、260psを発生する3.0LのV8 DOHCを横置きミッドシップ搭載し、組み合わされるミッションは5速MT。公称データでは、最高速度は250km/h、0→100km/h加速は6.5秒とされている。まさにベビー・ランボと呼ばれるにふさわしい機動力を発揮したのだが、当時、日本での価格はフェラーリ 308GTSの1230万円に対しシルエットは1350万円だったので、割高感は拭えなかった。ちなみに、当時のフェラーリのインポーターはコーンズ&カンパニー Ltd.だった。

結局、シルエットもベースとなったウラッコ同様に販売は低迷し、1979年までの3年間で生産台数はわずか53台にとどまった。「ベビー・ランボ」のフィロソフィは、1981年に発表される後継の「ジャルパ」に託されることになる。

画像: ウラッコは2+2だったが、シルエットは2シーター。リアセクションのデザインも変更されている。

ウラッコは2+2だったが、シルエットは2シーター。リアセクションのデザインも変更されている。

ランボルギーニ シルエット P300 主要諸元

●全長×全幅×全高:4320×1880×1115mm
●ホイールベース:2450mm
●重量:1240kg
●エンジン種類:90度V8 DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:260ps/7500rpm
●最大トルク:28.0kgm/3500rpm
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前195/50VR15、後205/40VR15

This article is a sponsored article by
''.