ストイックでスパルタン、走りのパフォーマンスやディテールにいっさい妥協せずに仕上げた1001に対して、1993年2月1日に発売されたM2シリーズの第2弾「1002」は、肩の力が抜けたリラックス感が特徴の限定300台のスペシャルモデルだ。

当時、アイボリーのレザーシートは高級車の証だった

画像: 深みのあるブルー(ブレーブブルーマイカ)のボディカラーとの対比で美しさを誇るアイボリーの内装色。メーターは1001と共用だが、文字やパネルカラーを1002用に変更している。

深みのあるブルー(ブレーブブルーマイカ)のボディカラーとの対比で美しさを誇るアイボリーの内装色。メーターは1001と共用だが、文字やパネルカラーを1002用に変更している。

ボディカラーは、1001のブラックから深い光沢のあるブルーへと変更された1002。しかし、1002の魅力はひとつがインテリアで、そのカラーセンスはなかなか秀逸だ。なんと1002のシートをはじめ、カーペット、細部パーツまでをアイボリー色に統一しているのだ。これは1001のスポーティなブラック内装とは対照的なインテリアとなっている。ただし、クラシカルなメーターやインナーハンドル、砲弾型のミラーなどは、1001と同じパーツを装着している。

注目は、ユーノスコスモにも採用されたアイボリーのレザーシートだ。このアイボリー塗装のレザーシートは、トップコートを薄くすることで、レザーならではの触り心地や風合いを高いレベルで実現している。当時、こうした明るい色味を出すのは難しかったため、一部の高級車にしか採用されていなかった。しかし、これを実現できたのは少量生産のM2だったからで、当時としてはとても価値あるカラーリングだったのだ。

ストイックな1001とは異なり、落ち着きと安らぎを演出した1002

画像: ベージュの幌は北米向けのものを採用。幌カバーは内装色と同じくアイボリーとしている。

ベージュの幌は北米向けのものを採用。幌カバーは内装色と同じくアイボリーとしている。

走りを支えるタイヤは15インチの55偏平タイヤを装着した。しかし、ノーマルのタイヤを単純にインチアップした場合、50偏平になるところを、あえて55偏平としたことで優れた乗り心地を実現した。さらにパワーユニットは1001とは異なり、チューニングなどはいっさい施されなかった。今だから話せるが、ノーマルエンジンがアダとなり、限定300台のスペシャルモデルに予約が殺到することはなかった。

ノーマルロードスターとは異なる、上質感あふれるインテリアに身を沈め、リラックスして風を感じながら走る楽しみを高い次元で実現した1002。それはスピードや興奮とは異なるオープンカーの魅力を率直に提案したクルマでもあったのだ。

新車価格(当時・税別)

M2 1002:300万円 5速MT

M2 1002装備リスト

●専用フロントスポイラー
●アルミ製ドアミラー
●モモ社製本革巻きステアリング
●木製シフトノブ
●パーキングブレーキレバー
●15インチタイヤ&アルミホイール

マツダ ユーノスロードスター(NA型) 主要諸元

●全長×全幅×全高:3970×1675×1235mm
●ホイールベース:2265mm
●重量:960kg
●エンジン型式・種類:B6直4 DOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:120ps/6500rpm
●最大トルク:14.0kgm/5500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14

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