2020年も4月を迎え、新年度が始まった。これに際して転勤や異動、就職などで引っ越しも最盛期だ。転居した先でも引き続き愛車を使用する人も多いだろう。これよる愛車の手続きには、どのようなものがあるのだろうか。また、種々の手続きを怠るとどのようなデメリットが待っているのだろうか。

引っ越しにともなう愛車の届け出変更は15日以内に!

画像: この春、すでに引越しをすませたという人も多いだろう。転入届の申請や免許証の住所変更だけでなく、車検証の住所変更もお忘れなく。

この春、すでに引越しをすませたという人も多いだろう。転入届の申請や免許証の住所変更だけでなく、車検証の住所変更もお忘れなく。

4月になり新年度期を迎えた。社会人ならば入社や転勤、異動などにより引っ越しをした人もいることだろう。愛車を引っ越し先でも使用するなら、種々の届け出内容の変更を忘れてはいけない。これを怠ると、思わぬペナルティを課されることになるからだ。

必要となる届け出はいくつかあり、普通・小型乗用車の場合は「保管場所の変更」と「所有者(ローンやリースで購入した場合は、使用者)の住所変更」、軽自動車なら「所有者・使用者の住所変更届」だ。

普通・小型車に必要な車庫証明とは、愛車の保管場所を居宅より半径2km以内に設置してあることの公的証明のことだ。愛車持参で引っ越しを行えば、車両の保管場所(駐車場)も変更となり、車庫証明を新たに取り直す必要がある。

車庫証明を申請するには、車両の所有者・使用者の新住所の証明書が必要なので、管轄の役場に転入届を提出してからだ。愛車の保管場所住所の変更手続き期限は、引っ越し後15日以内。手続きは車庫証明を管轄する警察署窓口で行うが、この管轄は警ら管轄とは異なる場合があり、必ずしも近隣の警察署とは限らない。事前に警察署に連絡し、引っ越し先住所の車庫証明を取得できる警察署を聞いておこう。

もし期限内に申請しなかった場合、最悪のケースで「道路運送車両法第12条第1項」に抵触し、最大20万円の罰金刑に処される。これは、車庫証明と異なる場所にクルマを保管する、いわゆる「車庫飛ばし」と呼ばれるものだ。さらに、近隣の道路を駐車場代わりに使用していたとなると、「自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条」に抵触し、3か月以下の懲役または20万円以下の罰金刑に処され、違反点数3点の行政処分となる。

上記の普通/小型乗用車と違って、軽自動車に車庫証明は必要ない。しかし県庁所在地の市や人口10万人以上の市など、地域によっては管轄の警察署へ保管場所設置の届出をする必要がある。保管場所の設置要綱は普通車と同じで、使用の本拠(居宅)から半径2km以内。もし届出を怠った場合には「自動車の保管場所の確保等に関する法律第5条」に抵触し、10万円の罰金刑に処される。

ここまで紹介した保管場所に関する処罰は交通違反のような行政罰ではなく、刑事罰だ。前科となり記録に残るので、引っ越ししたら15日以内の手続きを忘れてはいけない。

ちなみに、車庫証明の申請/届出と同時に警察署でできる免許証の住所変更も行っておくと手間を省くことができる。

ディーラーや行政書士に依頼してもいい

車庫証明を取得したらこれを持って、新住所(使用の本拠)を管轄する陸運支局または自動車検査登録事務所で、新しいナンバープレートの申請と車検証記載の車両の所有者・使用者の住所変更手続きを行おう。

同じ都道府県内で引っ越した場合でも、陸運支局の担当地域が異なる場合ナンバープレートの変更も必要だ。例えば東京都内なら、足立区から品川区に引っ越せばナンバープレートの地域名も足立から品川に変更になるからだ。

こうしたナンバープレートや車検証記載の情報は、防犯や犯罪に巻き込まれた時の捜査にも役立つ。また所有者・使用者情報は、自動車税の課税対象を特定する根拠にもなる。住所変更せずに納税通知書だけ新住所に送ってほしいという要望には対応できない。また、区市町村役所へ転居届を出しても、その情報は車検証の「所有者・使用者の住所欄」に反映されないので忘れずに手続きしよう。

画像: 車検証に記載されている使用者の住所は、自動車税の納税通知書を送付先にもなっているので、転居した場合は必ず手続きしよう。

車検証に記載されている使用者の住所は、自動車税の納税通知書を送付先にもなっているので、転居した場合は必ず手続きしよう。

なんらかの理由で、車検証の住所やナンバープレートを変更していない人もいるかもしれないが、これは自動車税の納税通知書が届かないだけでなく、車両の売却や車検を受けることができなくなるデメリットもある。先述の車庫飛ばしにも当てはまる。

引っ越し後は速やかに手続きを行いたいが、平日に時間を取れないという人も多いのも事実。そこで15日以内に手続き完了の見込みが立たないようなら、事前に警察署の車庫証明担当に連絡した上で、指示を仰ごう。

また仕事を休めないようなら、登録内容変更を引っ越し先の系列ディーラーや民間車検場、行政書士などに委託するのも手だ。もちろん費用がかかるものの、手続きを確実に行ってくれるため、車庫飛ばしなどの違反状態を防ぐこともできる。(文:猪俣義久)

This article is a sponsored article by
''.