「環境問題」「ミニバン&SUVブーム」さらにバブル崩壊やリーマンショックなど…価値観が大きく転換した平成という時代はスポーツカーにとってまさに冬の時代でもあった。市販化まで「あと一歩」というところまで来ていながら、結局世に出ることなく消えていった不運なスポーツカーたちに合掌。

ほぼ完成していながら夜露のごとく消えてしまったワケ

市販されるはずだった、または発売されてもおかしくない完成度なのに世に出ることなく消えていったスポーツカーたち。なぜ、こういった不運なクルマが生まれたのか? その理由はさまざまだ。バブル崩壊やリーマンショックといった景気後退の煽りを受けて開発の継続が困難になったケースもあれば、見通しの甘さゆえに計画が頓挫したこともある。さらに自動車メーカーの“お家騒動”が原因ということも…。

また、平成20年代に入ると一括企画によるクルマ作りが本格化し、新型車の企画立案にはITを駆使した高度なマーケティングが用いられるようになるなど、クルマの作り方が劇的に変わった。これにより効率化が図られた一方で、“クセ”があってビジネスになりにくいスポーツカーは作りにくくなったのだ。さらに、ニーズの多様化や流行り廃り(ミニバンブームやSUVブームなど)も少なからず影響を与えている。平成という時代の波に飲まれ消えていった、夢の残像のようなクルマたち。だが、クルマ好きの心を躍らせる魅力を秘めていたことは間違いない。

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