ベルランゴはシトロエンらしい個性的エクステリアと広大な車内空間を併せ持つレジャーアクティビティビークル。スクエアなボディの両側にスライドドアを備え、広々とした車内には28カ所ものストレージスペースが設けられており、頭上にはパノラミックルーフと収納スペースを融合させた独創的な「Modutop」が付く。後席には3人分の独立した同幅のシートが並ぶ。日本への本格導入は2020年後半が予定されているが、それに先立って発表された導入記念モデル「デビューエディション」がすぐさま完売、追加発売が決定したことも話題となった。今回は新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」から、その導入記念モデル「デビューエディション」の試乗記をお届けしよう。

シトロエン発のMPV、導入記念車は即日完売

シトロエン発のMPVがベルランゴだ。スライドドアを備えた2列シート車で、この種のモデルは、欧州においては「レジャーアクティビティビークル」と呼ばれている。

新型ベルランゴは2018年にデビューしたモデルで、本国では第3世代にあたる。2020年の後半には日本での本格導入が予定されている。ちなみに今回試乗したモデルは、正式な日本導入に先立って2019年10月に発売された日本への導入を記念した特別仕様車「ベルランゴ デビューエディション」だ。このモデルは即日完売するほどの人気で、シトロエン期待のルーキーと言える。

MPVといえば、日本では3列目シートを備えた6 〜8人が乗車可能なミニバンが主流で大人気だ。しかし、そうした日本の3列シートミニバンと比べると、ベルランゴのスリーサイズは全長4405×全幅1855×全高1840mmと、全長が短く車幅が広いのが特徴。車幅がある分だけ2列目は中央席の左右幅が広いので、国産のミニバンよりもしっかり使える。

また、3列目シートがない分だけ荷室を広く使えるのも魅力で、2列目シートをフォールディングすると、室内の床面はフルフラットになる。さらに助手席まで倒せば最長2.7mもの長尺モノも収納できる。

加えて、バックドアにガラスハッチを備えていることも注目点のひとつ。日本の狭い駐車場事情にマッチする便利な装備と言えるだろうだ。

とはいえ、実用性の高さはベルランゴとしては基本のキ。このクルマの魅力はさらに別のところにある。それは国産車にはない、フランス車特有のおしゃれなデザインであり、ブレーキサポート付きのACCに加え、レーンキープアシストも標準装備するといった運転支援システムの充実ぶりなどだ。

しかしとくに気に入ったのはその走りだ。最新のクリーンディーゼル+8速ATで構成されるパワートレーンは、低回転から非常に力強い。しかも飛び出すようなやんちゃな振る舞いは一切見せず、ゆったり、まったりとした走りを味わわせてくれる。パワーステアリングがやけに中央に戻りたがるのはシトロエンの伝統的な味付け。

安心感がたっぷりあって「ああ、シトロエンを運転しているんだなあ」という気分に浸れる。これもベルランゴの魅力のひとつだと思う。(文:鈴木ケンイチ/新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」より)

画像: 全長×全幅×全高=4405×1855×1840mmとカングーよりも少し大きい。プラットフォームは最新「EMP2」、丸みを帯びたデザインだがボディは基本的にスクエア。

全長×全幅×全高=4405×1855×1840mmとカングーよりも少し大きい。プラットフォームは最新「EMP2」、丸みを帯びたデザインだがボディは基本的にスクエア。

シトロエン ベルランゴ デビューエディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4405×1855×1840mm
●ホイールベース:2785mm
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:1498cc
●最高出力:130ps/3750rpm
●最大トルク:300Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:325万円

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