クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第79回は「ランボルギーニ アヴェンタドール」だ。

ランボルギーニ アヴェンタドール(2011-2018年)

画像: 六角形をデザインのモチーフに用いる。先代のムルシエラゴより全長は200mm、ホイールベースも35mm長い。

六角形をデザインのモチーフに用いる。先代のムルシエラゴより全長は200mm、ホイールベースも35mm長い。

スーパーカーと言えば、ランボルギーニ。ランボルギーニと言えば、カウンタック。スーパーカーの代名詞的存在であり、ランボルギーニのフラッグシップであるカウンタックの系譜は、1990年にディアブロ、2001年にムルシエラゴへと引き継がれ、そして今回紹介するアヴェンタドールへと進化した。その名はランボルギーニの伝統に従い、闘牛の名に由来している。

アヴェンタドールのワールドプレミアは、2011年のジュネーブ モーターショー。カウンタックから継承されている、ひと目でランボルギーニのフラッグシップとわかる独特のスタイリングは自社製。2007年のフランクフルト モーターショーで発表された限定モデルのレヴェントンや、2008年のパリ モーターショーで発表されたコンセプトカーのエストーケのディテールをデザインに引き継いでいる。チーフデザイナーは、アウディのシニアデザイナーからランボルギーニのデザイン責任者となったフィリッポ・ペリーニ。彼はガヤルドやコンセプトモデルなどを手がけ、のちにヒュンダイへ移籍する。

地を這うような独特のフォルムやV12エンジンをミッドシップ搭載するなど、基本はカウンタックから変わっていないが、中身は別次元と言えるほど高度に進化している。第一の大きな進化は、初めてボディにカーボンファイバー製のモノコックを採用したこと。サスペンションもピュア レーシングカーのようなプッシュロッド式を採用したこともトピックスといえるだろう。

画像: 700psと690Nmを発生する新開発の6.5L V12 DOHCのサウンドは迫力満点だが、かつてのスーパーカーほど荒々しいものではない。

700psと690Nmを発生する新開発の6.5L V12 DOHCのサウンドは迫力満点だが、かつてのスーパーカーほど荒々しいものではない。

だが、最大の進化はエンジンを新開発したことだろう。カウンタックから先代のムルシエラゴまでは、創業以来のV型12気筒を基本的に使い続けてきたのだが、自然吸気のままついに新設計のものに置き換えられた。排気量は6.5L(正確には6498cc)で、デビュー当初のモデルは車名が示すとおり最高出力700psと最大トルク690Nmものパワースペックを発生した。

トランスミッションをエンジンの前に置くレイアウトの伝統は守られたが、マニュアルは設定されずセミAT(シングルクラッチのAMT)のみとなる。駆動方式も4WDのみで、前後の駆動力配分は0:100から40:60まで可変する。公称の最高速度は350km/h以上、0→100km/h加速は2.9秒以下とアナウンスされていた。

2012年のジュネーブ モーターショーでは、伝説のモデル「イオタ」をインスパイアしたワンオフのオープンモデル、アヴェンタドールJ(イオタ)が発表され、同年秋にはロードスターがカタログモデルとしてラインアップされた。その後もスペシャルモデルを何台か発表し、2016年にはビッグマイナーチェンジで「アヴェンタドールS」へと進化するが、これに関しては改めて紹介したい。

画像: フロント同様に六角形がモチーフのリアエンド上部には、車速が80km/h以上になると立ち上がるスポイラーが備わる。

フロント同様に六角形がモチーフのリアエンド上部には、車速が80km/h以上になると立ち上がるスポイラーが備わる。

ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4 主要諸元

●全長×全幅×全高:4780×2030×1136mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:1575kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:6498cc
●最高出力:700ps/8250rpm
●最大トルク:690Nm/5500rpm
●燃料タンク容量:90L
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●トランスミッション:7速AMT
●タイヤサイズ:前255/30ZR20、後355/25ZR21
●当時の価格:4317万3000円

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