クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第109回は「ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ」だ。

ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ(2018年-)

画像: アヴェンタドールSよりも全長は140mmほど伸ばされ、車幅も60mm近く広げられた。車高とホイールベースは同じ。

アヴェンタドールSよりも全長は140mmほど伸ばされ、車幅も60mm近く広げられた。車高とホイールベースは同じ。

ランボルギーニのフラッグシップ、アヴェンタドールが2016年にビッグマイナーチェンジを受けてアヴェンタドールSに進化したのは、以前に紹介したとおり。エンジンパワーは740psにアップされ、4WSも採用し、高速域では重いV12エンジンを積むゆえ不安定になりやすいリアを安定させた。

アヴェンタドールが「S」に進化する前の2015年、限定モデルとしてボディを軽量化して750psにパワーアップした「アヴェンタドール SV」が登場した。それまでもミウラやディアブロなどに設定された、イタリア語で「超速い!」を意味するスーパーヴェローチェ(Super Veloce)の略称である「SV」を与えられたモデルだ。

アヴェンタドールSでは、さらに上をいく高性能バージョンとして、2018年のペブルビーチ コンクール デレガンスで「アヴェンタドール SVJ」が発表された。SVはスーパーヴェローチェの略で同じだが、Jはイオタ(Jota)を表し、かつてミウラの特別バージョンとして作られたイオタと同様に、レース走行への熱い思いが込められている。

発表前にニュルブルクリンク北コースで当時の市販車最速となる6分44秒97の記録を打ち立て、コーナリングは不得手と言われていた往年のフラッグシップ、カウンタックとは隔世の感があると言えるだろう。

画像: 6.5LのV12 DOHCは770ps/720Nmと、歴代のランボルギーニV12エンジン搭載量産車で最強のパワースペックを誇る。

6.5LのV12 DOHCは770ps/720Nmと、歴代のランボルギーニV12エンジン搭載量産車で最強のパワースペックを誇る。

エクステリアでは、サイドフィン付きのフロントバンパーには、ALA(エアロディナミカ ランボルギーニ アッテヴァ)というアクティブ エアロダイナミクス システムをインテーク内に搭載。リアにはカーボンファイバー製のウイングも装着され、バンパー下部は巨大なディフューザーとなっている。ALAは2.0に進化し、電動モーターがフロントスプリッターやエンジンボンネットのフラップを開閉し、ストレートではドラッグを低減、コーナーではアウト側のダウンフォースを高めて左右のトラクションを最適化する。

ミッドシップ搭載されるV型12気筒DOHCの排気量は6498ccとアヴェンタドールSと変わらないが、最高出力は30psアップの770ps、最大トルクは30Nmアップの720Nmと、歴代のランボルギーニV12エンジン搭載量産車では最強のスペックを誇る。公称のパフォーマンスは、最高速度が350km/hオーバー、0→100km/h加速は2.8秒、0→200km/h加速は8.6秒とされている。

インテリアはベース車と大きく変わらないが、カスタマイズプログラムを利用すれば色や素材のセレクトは無限に可能性が広がる。ナビゲーションシステムやインフォテインメントシステムは無料オプションだ。

アヴェンタドールSVJはクーペが900台、ロードスターが800台の限定で、いずれも発表から間もなく完売した。また、ランボルギーニの創立年である1963年をオマージュして、クーペ/ロードスター各63台限定の「SVJ 63」も発売されたが、これも完売している。

画像: カーボンファイバー製の独特の形状をしたウイングや、巨大化したリアディフューザーなどで、空力性能を追求している。

カーボンファイバー製の独特の形状をしたウイングや、巨大化したリアディフューザーなどで、空力性能を追求している。

ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4943×2098×1136mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:1525kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:6498cc
●最高出力:770ps/8500rpm
●最大トルク:720Nm/6750rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:7速AMT
●タイヤサイズ:前255/30ZR20、後355/25ZR21
●当時の価格:5154万8373円

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