クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第119回は「ピニンファリーナ バッティスタ」だ。

ピニンファリーナ バッティスタ(2019年-)

画像: 2019年に発表されたプロトタイプ。ハイパーカーを名乗るにふさわしく、ドアはAピラーをヒンジに開閉するバタフライ式を採用している。

2019年に発表されたプロトタイプ。ハイパーカーを名乗るにふさわしく、ドアはAピラーをヒンジに開閉するバタフライ式を採用している。

ピニンファリーナといえば、かつてはフェラーリのほとんどのモデルをデザインしていた、イタリア最大のカロッツェリアだ。フェラーリだけでなく、プジョーやフィアット/ランチアなど、多くのメーカーの市販車やコンセプトカーを手がけている。また、クルマ以外でも船舶、電車といった乗り物からオフィスチェアやゴルフクラブ、時計や靴など、さまざまな工業製品のデザインや委託生産を行っている。

そんなピニンファリーナだが、2015年にインドのマヒンドラ グループの子会社となり、2018年にはハイパーEVの開発製造を目的としてアウトモビリ ピニンファリーナを設立した。彼らが2020年中には市販を目指して開発しているモデルが、ここで紹介する「バッティスタ」だ。車名のバッティスタ(Battista)とは、クルマ好きなら御存知のとおり、ピニンファリーナの創業者であるバッティスタ・ファリーナに由来している。

今まで世界中で公開されているモデルはプロトタイプであるため、詳細なスペックは公表されていないが、流麗なスタイリングは、いかにもピニンファリーナらしい美しいもの。最新のハイパーカーがほとんどそうであるように、フルカーボンファイバー製のモノコックに、アルミニウム製のサブフレームを前後に装着。ボディパネルもカーボンファイバー製だ。

ボディ下部のセンタートンネルとシート後部に、120kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。このバッテリーパックは、クロアチアでスーパーEVを製作しているリマックから供給されている。駆動モーターの数などは明らかにされていないが、システム最高出力は1900ps(1400kW)、最大トルクは2300Nm!に達するという。

画像: 小径ステアリングには本革とカーボンファイバーを採用。計器類にはモニターを多用したデジタルコクピットとなっている。

小径ステアリングには本革とカーボンファイバーを採用。計器類にはモニターを多用したデジタルコクピットとなっている。

トルクベクタリング機能付きの全輪駆動(ということは、モーターは各輪に備わるのだろうか?)で、駆動モードは5段階の可変式。公称のパフォーマンスは、最高速度が350km/h以上、0→100km/h加速が2.0秒以下、0→300km/h加速が12.0秒以下。しかも、1回のフル充電で500kmの走行が可能。と、目標推定値は発表されている。急速充電にも対応可能だ。

ブレーキは前後ともカーボンセラミック製の6ピストンで、タイヤはバッティスタ専用に開発されたピレリ Pゼロ。新デザインのホイールは21インチ径。リアエンドにはエアブレーキも備わっている。

インテリアも、ディスプレイを多用したデジタル コクピットとされ、最小限のボタンとスイッチにより、ピニンファリーナらしいエレガントさを追求しながら、ドライバーが運転に集中できるインターフェースになっているという。

今までにイタリアで設計・生産された公道走行可能なクルマとしては、もっともパワフルなモデルとなるピニンファリーナ バッティスタ。150台のみが手作業で製作され、車両価格は198万ユーロ(約2億4000万円)からとされている。

画像: リアウイングはエアブレーキの役目も果たす。横一文字のLEDテールランプも特徴的だ。タイヤは専用開発されたピレリ Pゼロ。

リアウイングはエアブレーキの役目も果たす。横一文字のLEDテールランプも特徴的だ。タイヤは専用開発されたピレリ Pゼロ。

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