クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第125回は「マクラーレン エルバ」だ。

マクラーレン エルバ(2019年-)

画像: ノーズ下のエアインテークから吸入されたエアはボンネット上のアウトレットから高速で抜けてコクピット上を通過していく。

ノーズ下のエアインテークから吸入されたエアはボンネット上のアウトレットから高速で抜けてコクピット上を通過していく。

2019年11月、マクラーレン オートモーティブは、ラインアップの最高峰であるアルティメットシリーズの新型ロードスター「エルバ」を発表した。エルバ(Elva)という車名は、マクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンが1960年代に設計したグループ7(当時の規定)のレーシングカー、マクラーレン-エルバ M1Aなどに由来したものだ。

公開されているのはプロトタイプなので、外寸などの詳細は発表されていないが、そのスタイリングは、まさにピュアなロードスター。ルーフはもちろん、サイドウインドーやフロントのウインドスクリーンも装着されていない(ウインドスクリーンのみオプションで装着可能)。それでも、マクラーレン・アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)により、フロントノーズのエアインテークから吸入されたエアはボンネット上のアウトレットから高速で抜けてコクピット上を通過することで、走行中のコクピットは泡で覆われたような静かさだという。

シャシやボディカウルはもちろん、シートもカーボンファイバー製。ユニークなのはスタイリングだけでなく、エクステリアがインテリアに流れ込むようなデザインを採用していること。つまり、カーボンファイバー製のボディはドアの最上部がインパネの上部に繋がっており、シート後ろのバットレス(ロールバー形状をしたナセル)もキャビンに溶け込んでいく、といった具合だ。

画像: ボディパネルと一体化したユニークなインパネ。シフトはステアリングのパドルで行う。タッチスクリーンはマクラーレン伝統の縦型。

ボディパネルと一体化したユニークなインパネ。シフトはステアリングのパドルで行う。タッチスクリーンはマクラーレン伝統の縦型。

ミッドシップ搭載されるパワーユニットは同じアルティメットシリーズのマクラーレン セナ用のものと基本的に同じ4.0L(正確には3994cc)のV型8気筒DOHCツインターボだが、最高出力は815psにアップされ(セナ用は800ps)ている(最大トルクは800Nmで同じ)。ミッションは7速DCTを組み合わせ、公称のパフォーマンスは、0→100km/h加速が3秒未満、0→200km/h加速はマクラーレン セナより0.1秒速い6.7秒とアナウンスされている。

インコネル合金とチタニウム製のエグゾーストが奏でるサウンドはクリーンで歯切れの良いもので、背圧を減らすことでエンジンパワーを増大させている。電動油圧式ステアリングやリンク型油圧式フルアクティブサスペンションも採用され、マクラーレンらしい心を奪われるようなドライビングが体験できるという。

インテリアも他のマクラーレン車に比べるとシンプルだが、アクティブダイナミクスのコントロールなどはステアリングから手を離さずに操作でき、付加的な機能はセンターダッシュの8インチ タッチスクリーンでコントロールする。インテリアの素材や色、ボディカラーなどはオーナーの好みで選択が可能だ。

生産台数は限定399台の予定だったが、諸般の事情で249台に減少された。日本での価格は137万5000ポンド(約1億9000万円)からとされている。日本からのオーダーもかなり入っているらしいが、実車の生産は2020年の第4四半期以降から開始される予定だ。

画像: リアセクションのデザインは今までのマクラーレン車とはまったく異なる。リアエンドにはエアブレーキにもなる可変式ウイングが備わる。

リアセクションのデザインは今までのマクラーレン車とはまったく異なる。リアエンドにはエアブレーキにもなる可変式ウイングが備わる。

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