2020年7月8日、北米市場でマツダ車の販売を行うマツダノースアメリカンオペレーションズは、2021年モデルのマツダ3を今秋に発売すると発表。ラインアップの中には「マツダ3 2.5ターボ(Mazda3 2.5 Turbo)」という名のモデルが含まれるという。

※タイトル画像は、北米仕様のマツダ3(2020年モデル)とマツダスピードアクセラ。

4WDと6速ATを組み合わせ、素性はジャジャ馬ではなさそうだが

優れたデザイン性を持つモデルに贈られるワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーやレッド・ドットのベスト・オブ・ザ・ベスト賞など、現在のマツダ3がデザイン賞をいくつも受賞したことはよく知られている。また、新ガソリンエンジン技術スカイアクティブXを搭載したとあって、話題の尽きないモデルである。

そして2020年7月8日、マツダの北米法人マツダノースアメリカンオペレーションズは2021年モデルのマツダ3を発表。従来2.5L直4ガソリンエンジン(約188ps/252Nm)だけだったラインアップに、ふたつのパワートレーンを追加するという。ひとつは日本にも導入されている2L直4ガソリンエンジン(約157ps/203Nm)で、もうひとつは高出力な2.5L直4ターボだという。

画像: 北米市場で2020年秋に発売されるというマツダ3 2.5ターボのティザー画像。詳細はまだ発表されていない。

北米市場で2020年秋に発売されるというマツダ3 2.5ターボのティザー画像。詳細はまだ発表されていない。

2.5Lターボといえば、すでにCX-8やマツダ6などに搭載されているスカイアクティブG 2.5Tを思い浮かべる。230ps/420Nm(日本・レギュラーガソリン仕様)を発生し、ディーゼルよりも高回転型でハイパワー、さらに静粛性も高いとあって一部の層から強い支持を受けているエンジンだ。

マツダ3に新たに搭載する2.5Lターボエンジンは、給油されるガソリンのオクタン価によって異なるパワーを発生し、87オクタンで約230ps/420Nm・93オクタンで約253ps/433Nmとなる。この数値を見る限りは、日本のCX-5などと同じ仕様に見える。しかし発表によるとマツダ3に合わせてリチューンされており、さらにコーナリング性能を高める4WDシステム「i-ACTIV AWD」を組み合わせることによって、高い走行性能を期待するユーザーも納得のドライビングダイナミクスを実現するという。

画像: 2006年に発売された初代のマツダスピードアクセラ。2.3L直噴ターボエンジンのパワーは凄まじかった。

2006年に発売された初代のマツダスピードアクセラ。2.3L直噴ターボエンジンのパワーは凄まじかった。

さてここまで読んで、過去販売されていたマツダスピードアクセラを思い浮かべた人も多いことだろう。初代は2006年6月に、2代目は2009年6月に発売されたホットハッチで、いずれも2.3L直4ターボ+6速MTを組み合わせていた。また専用にボディ剛性を強化、専用セッティングのサスペンションなどによりハンドリング性能を大きく向上させたモデルだった。

最大の特徴は264ps/380Nmというエンジンパワー(初代・2代目ともに同じ)だ。数字だけ見るとスバル インプレッサWRX STIや三菱 ランサーエボリューションなどといったハイパー4WDのライバルと思うかもしれないが、実はマツダスピードアクセラはFF。215幅(2代目は225幅)の2本のタイヤでこのパワーを受け止めるのだから、そのジャジャ馬っぷりは言わずもがな。それでもボディ剛性の高さからファンも多く、復活を望む声をよく聞く存在だった。

画像: 2代目にフルモデルチェンジしたマツダスピードアクセラ。2.3Lターボ+6速MT+FFという組み合わせはかわらなかった。

2代目にフルモデルチェンジしたマツダスピードアクセラ。2.3Lターボ+6速MT+FFという組み合わせはかわらなかった。

マツダ3 2.5ターボの存在を聞いた時、マツダスピードアクセラの再来か!?日本でも復活か!?と思ったものだが、どうも素性は違うようだ。新型が4WDである点、組み合わされるトランスミッションが6速ATのみという点、近年マツダがブランドの方向性を高級志向に舵を切っている点などを見ると、プレミアム志向の高性能ハッチバックに仕上げられているのではないかと考えられる。

いずれにしても、北米市場で発売されるのは2020年秋から。販売価格も含め、車両の詳細も今後発表されることだろうから、日本市場での導入の報も期待して待とう。

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