今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代のニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ホンダ ステップワゴン(2代目)」だ。

ホンダ ステップワゴン(2代目:2001年)

画像: 従来型とシルエットは変わらないが、フロントマスクはけっこう違う。メルセデスのVクラスにも何となく似た佇まいだ。

従来型とシルエットは変わらないが、フロントマスクはけっこう違う。メルセデスのVクラスにも何となく似た佇まいだ。

2001年4月、ホンダのミニバン「ステップワゴン」が2代目にフルモデルチェンジした。高品質に仕上がった新型ステップワゴンは、旧型以上に人気を呼びそうだ。まずは試乗会でのレポートをお届けしよう。

新型ステップワゴンを見た第一印象は、とにかく質感が向上してカッコ良くなったということだ。旧型は確かにラゲッジスペースも大きく、人もたくさん乗れて、機能的には申し分なかったのだが、こと質感に関しては「?」マークを付けざるを得なかった。エクステリアデザインにしても、色気のない、単なる箱のような印象だった。

その点、新型はボクシーということでは旧型からイメージを継承して、シルエットこそ変わらないものの、ボディの各コーナーを丸め、ちょっとメルセデス・ベンツのVクラスにも似た高級感のあるデザインとなっている。

インテリアに目を移すと、こちらも重要な部分の質感が向上されていることが感じられる。まず、ドライバーズシートが、旧型では商用車のような平板でコシのないものだったが、新型はヨーロッパ車並みとは言えないまでも、より乗用車らしい座り心地の良いものとなった。

画像: インパネシフト&足踏み式パーキングブレーキの採用で足もとはスッキリ。メーター類の視認性、スイッチ類の操作性も申し分ない。

インパネシフト&足踏み式パーキングブレーキの採用で足もとはスッキリ。メーター類の視認性、スイッチ類の操作性も申し分ない。

乗車定員は、4種設定されたグレードともすべて2-3-3の8名。2列目を回転させて、3列目と向き合う対座モード、1列目を回転させ、2列目をテーブルとするレストランモード(一部グレードに標準またはオプション)、3列ともシートバックを倒す3列フルフラットモード、3列目を左右に跳ね上げ、2列目を折りたたむカーゴモードと4つのモードが楽しめる。中でも便利に感じられたのはレストランモードとカーゴモード。これはキャンプやフィッシング、あるいはMTBライドなどで重宝するはずだ。

他にうれしい装備としては、上級2グレードに装着されたパワースライドドアだ。スライドドアの内側/外側からはもちろん、ドライバーズシートから、あるいはリモコンキーでも完全な自動開閉ができる。これは面倒で危険な手動スライドドアの、ネガティブな部分を排除した優れモノと言えるだろう。

新たにi-VTECが装備された2Lのエンジンは、最高出力が160ps(118kw)と旧型より25psもパワーアップして力強い。今回は2名乗車での試乗だったが、旧型より明らかにパワフルな印象を受けた。試乗コースも市街地が中心で、首都高速を少しだけ走るといった設定だったが、走りっぷりに不満を感じることはなかった。とくに高速では、ロードノイズや風切り音もおさえられており、パワーアップしたエンジンのおかげで余裕の走りが楽しめた。

今回、ステップワゴンと同時に発売されたのが、電動アシストフォールディング・ミニサイクルのステップコンポ。今までの電動アシストはママチャリの延長線上にしかなかったが、これはかなりのこだわりを持ってデザインされたスポーツサイクルだ。質感も高いし、ポジションもスポーティで、自転車好きなら間違いなく欲しくなる1台だった。

画像: 縦長のリアコンビランプと一体化してサイドパネルを取り巻くガーニッシュや、ルーフまで回りこんだテールゲートガラスが独特。

縦長のリアコンビランプと一体化してサイドパネルを取り巻くガーニッシュや、ルーフまで回りこんだテールゲートガラスが独特。

■ホンダ ステップワゴンK 主要諸元

全長×全幅×全高:4670×1695×1845mm
ホイールベース:2805mm
車重:1560kg(ダブルサンルーフ+サイドエアバッグ装着車)
エンジン形式:直4・4バルブDOHC・横置きFF
排気量:1998cc
最高出力:118kw(160ps)/6500rpm
最大トルク:191Nm(19.5kgm)/4000rpm
ミッション:4速AT(インパネシフト)
タイヤ:195/65R15
当時の価格:248万3000円(ダブルサンルーフ+サイドエアバッグ装着車)

This article is a sponsored article by
''.