2020年7月14日、フォードが新型SUVのブロンコ(Ford Bronco)を北米市場で発表、2021年から生産されるという。1996年に絶版となって以来、24年ぶりの復活となる。

クロカンのブロンコと、コンパクトSUVのブロンコスポーツも発表

フォード ブロンコ。車名の意である野生馬のようにどこへでも行けるクロカンとして、1965年に発表されてから1996年までおよそ30年、5代に渡って愛されてきたモデルである。日本で正規販売されていなかったので実車を見かける機会は少なかったが、巨大なボディと逆スラントノーズ、5Lを超えるような大排気量エンジンなど本場アメリカ仕込みのクロカンに憧れて並行輸入車を手に入れたというファンもいるだろう。

そのブロンコを24年ぶりに復活させるとフォードがアナウンス、そして2020年7月14日ついに新型が登場した。

そのフロントマスクは初代をモチーフにしたかのような、丸目二灯とグリルを大きなモジュールで組み合わせたクラシックな印象。ボディ形状は2ドア/4ドアのふたつを用意し、大きな曲線を描くオーバーフェンダーを採用していかにもオフローダーというようなデザインだ。

また、4ドアモデルは4つ(2ドアモデルは3つ)のセクションに分割されたルーフトップを外すことで簡単にオープンボディに変貌させることができる。4ドアモデルにはソフトトップもラインアップされ、春の暖かな日差しを浴びることも夏の星空を車内から楽しむこともできそうだ。

画像: 直線と曲線を織り交ぜたボディデザインの新型ブロンコ。ルーフトップは脱着可能。

直線と曲線を織り交ぜたボディデザインの新型ブロンコ。ルーフトップは脱着可能。

搭載されるエンジンは2種類、2.3L 直4ターボ(約273ps/420Nm)と2.7L V6ターボ(約314ps/542Nm)を用意、いずれも7速MTと10速ATを組み合わされる。ラダーフレームとパートタイム4WD、電子制御デファレンシャルロックやヒルディセントコントロール、トルクベクタリングなど、ハードからソフトまでオフロードでの走破性能を高めるシステムが組まれている。「どこへでも行ける」というコンセプトは初代から変わっていないようだ。

ボディサイズは2ドアモデルで全長4412mm×全幅1928×全高1826mm・ホイールベース2550mm/4ドアモデルで全長4811mm×全幅1928×全高1826mm・ホイールベース2949mmと発表されている。車両価格はベースグレードの2万6660ドル(約306万円)から、オプション装備を多数採用したファーストエディションで5万9305ドル(約636万円)と、比較的低価格に設定されているのも魅力だ。

画像: 新型ブロンコの4ドアモデル。分割脱着式のルーフトップを採用する。比較的容易にオープンへ変更できるという。

新型ブロンコの4ドアモデル。分割脱着式のルーフトップを採用する。比較的容易にオープンへ変更できるという。

このサイズ感や車両コンセプト、機能面からもお察しのとおり、ライバルはジープ ラングラーだろう。つまり、フォードがジープの主戦場で真っ向勝負を仕掛けることになる。勝つのはカウボーイ(ラングラー)か野生馬(ブロンコ)か。ロデオよろしく熱戦の火蓋が落とされた。

ちなみに、今回の発表と同時に「ブロンコスポーツ」の存在も公開された。ブロンコのコンパクトSUVとして過去に販売されていた「ブロンコ2」の実質的後継モデルにあたり、新型もひとまわり小さなボディを与えられている。デザインコンセプトはブロンコとよく似ているが、全長4387mm×全幅1887mm×全高1814mm・ホイールベース2670mmというサイズは、ライバルでいうとフォルクスワーゲン ティグアンやジープ コンパスに近い。搭載されるエンジンも1.5L 直3ターボ(183ps/258Nm)、2L直4ターボ(248ps/373Nm)とコンパクトだ。

残念なことはフォードが日本市場からすでに撤退しているということ。いずれも日本での正規販売を期待できないので、もし手に入れたい場合は並行輸入に頼ることになるだろう。

画像: 左がコンパクトなブロンコスポーツ。デザインコンセプトは同じだが、クルマとしてはまったくの別物のようだ。

左がコンパクトなブロンコスポーツ。デザインコンセプトは同じだが、クルマとしてはまったくの別物のようだ。

This article is a sponsored article by
''.