2020年8月28日、BMW(ビー・エム・ダブリュー)は「8シリーズグランクーペ 京都エディション(BMW M850i xDrive Gran Coupe Kyoto Edition)」を台数限定で発売した。車両価格は2150万円。

「BMWと日本の名匠プロジェクト」の第一弾として企画された限定車

BMWの2ドアフラグシップクーペである8シリーズをベースに、4ドアクーペとした「8シリーズ グランクーペ」は日本で2019年10月に発売された。4枚のドアを持つモデルとしては全高の低い約1.4mとしながら、全長は5.1mに迫ろうかというボディサイズで、これにより伸びやかでスタイリッシュなスタイリングを実現している。

そのラインアップの中でも今回、530ps/750Nmを発生する4.4L V8ツインターボエンジンを搭載し、BMW M社がチューニングを担当した4WDのMパフォーマンスモデルをベースにした特別仕様車「M850i xDrive グランクーペ 京都エディション」が、わずか3台限定で発売された。このモデルには京都を代表する伝統工芸がインテリアに複数用いられる。

ひとつ目の伝統工芸はセンターコンソールに配置される「蒔絵螺鈿細工」だ。木材に漆を塗り重ねる漆器の技法と、貝殻の内側に見られる虹色の光沢素材を組み合わせて加飾した日本の伝統工芸品で、この限定車のインテリアトリムに採用される。また、トリムと同じ蒔絵螺鈿細工のデザインを施された専用のキートレイも付属する。京都を代表する漆芸家である岡田紫峰氏が手掛けた作品である。

ちなみに漆塗りの技法は日本でも古くから存在し、その歴史は縄文時代にまで遡るという。この「深い黒」の塗装技術は16世紀に西欧へ渡り、これにインスパイアされたことで漆を用いた塗料「ラッカー」が生まれ、そしてピアノをはじめとする製品にも採用されていく。これは現在のBMWのインテリア、ピアノブラックに繋がるもので日欧の歴史を感じさせるコラボレーションとも言える。

画像: 京都を代表する漆芸家、岡田紫峰氏の手による煌びやかな蒔絵螺鈿細工がセンターコンソールに採用される。

京都を代表する漆芸家、岡田紫峰氏の手による煌びやかな蒔絵螺鈿細工がセンターコンソールに採用される。

さて、もうひとつの京都を代表する伝統工芸は西陣織で、老舗メーカーである加納幸とのコラボレーションによって誕生したクッションが付属する。この限定車のルーフライニングと同じアルカンターラと、上質な絹糸を使って西陣織の伝統技術で織り込んで生地とする。伝統にとらわれない異素材を組み合わせる技術は同社の業で、斬新なデザインと質感をもったクッションに仕上がっているという。

いずれの技術も職人による手作業で完成する。こうしたクラフトマンシップはBMWのインテリアにも採用され、フロントシートのレザー部分は職人による手作業で「マニュファクチュール(BMW Individual Manufaktur)」加工を施され、そしてこの限定車にも採用されている。つまり、「M850i xDrive グランクーペ 京都エディション」は日本の匠とドイツのクラフトマンシップが融合した限定車といえる。

画像: ルーフライニングに採用されるアルカンターラと西陣織の技術を融合させたクッションが付属する。

ルーフライニングに採用されるアルカンターラと西陣織の技術を融合させたクッションが付属する。

M850i xDrive グランクーペ 京都エディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:5085×1930×1405mm
●ホイールベース:3025mm
●車両重量:2090kg
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●排気量:4394cc
●最高出力:530ps/5500rpm
●最大トルク:750Nm/1800−4600rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:2150万円
※右ハンドル仕様

This article is a sponsored article by
''.