今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「シトロエン C3」だ。

シトロエン C3(2002年)

画像: 2001年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアされたときから、注目度の高かった新世代シトロエンのC3。

2001年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアされたときから、注目度の高かった新世代シトロエンのC3。

新しい世紀を迎えてから、シトロエンは車種体系を刷新しつつある。それも、車名の付け方から変え始めた。今まではエグザンティアとかサクソとかという具体的な名前をつけていたが、新型車はシトロエンのCと数字で車名が与えられる。他のメーカー同様、数字が大きくなると車格も上がる。もっとも、1980年代あたりはBXとかCXという車名の付け方をしていたから、いずれまた変わるのかもしれないが。

今回紹介するC3は、ベーシックモデルのサクソとクサラの間に位置するモデルとして、プラットフォームから完全新設計で生まれたコンパクトカーだ。同じグループのプジョーでも、206の後継車(たぶん207になるだろう)でこのシャシを使うというから、そういう意味でも注目度は高い。

コロンと丸いボディスタイルは特徴的だ。それでも厚みのあるフロントマスクは変に媚びておらず、そのあたりはヨーロッパ車らしいというべきか。サイズ的にはホンダ フィットと同じくらいだが、けっこう存在感はある。

日本仕様のパワートレーンには、1.4L+4速ATと1.6L+5速2ペダルMTの2種類が設定されるが、今回は1.4Lに試乗した。75psと12.5kgmを発生する1.4Lの直4 SOHCは、パワフルとは言いがたいが必要十分なレベルにはある。ATはDレンジで走っていると意外とシフトアップをこらえたり、減速時には早めにシフトダウンしたりと、少し違和感を覚えた。

画像: インテリアも曲線を多用している。メーターはバーグラフ式の回転計とデジタル数字で表示する速度計を組み合わせる。

インテリアも曲線を多用している。メーターはバーグラフ式の回転計とデジタル数字で表示する速度計を組み合わせる。

そこでシーケンシャルモードでマニュアルシフトしていくと、けっこう走りは痛快となる。シフトアップ/ダウンともレスポンスが良いので、MT並みのダイレクトな変速が楽しめる。エンジンをギンギン回して走る、フランス流の小型車の走らせ方をすれば、本領を発揮するというわけなのだろう。

フットワークも良い。かつてのフランス車のような柔らかさは薄れたが、締まった足まわりはキビキビと正確なハンドリングを楽しませる。高速道路での直進安定性も悪くない。乗り心地も、けっこう重厚だ。電動パワーステアリングのフィールも自然で好感が持てた。こうした走りのしっかり感は、日本のコンパクトカーはまだまだ見習うべき点が多いと思われた。

サイズがサイズゆえ、室内空間はさほど広くはない。リアシートのフットスペースはあまりないし、丸いルーフのせい?でヘッドスペースも少なめだ。居住性はそれなりといったところだろう。インテリアも、以前のチープシックな小型フランス車に比べれば質感は高くなったけれど、操作系のタッチなどは少し頼りなく感じる。また、折りたたみ式ボードのセットの仕方でラゲッジスペースのレイアウトが変えられるなどの工夫も、ちょっとアイディア先行気味で使い勝手と仕上がりは今ひとつといった感じだ。

とはいえ、そんな欠点も含めてどこか愛着がわいてしまうのがフランス車、とくにシトロエンの魔力。このC3もスタイルが気に入ってしまったら、手に入れてしまうしかないかもしれない。

画像: ルーフエンドには小ぶりのスポイラーも装着される、縦長のリアコンビランプも他には見られないデザインだ。

ルーフエンドには小ぶりのスポイラーも装着される、縦長のリアコンビランプも他には見られないデザインだ。

■シトロエン C3 1.4 主要諸元

●全長×全幅×全高:3850×1670×1540mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:1080kg
●エンジン形式:直4・SOHC・横置きFF
●排気量:1360cc
●最高出力:54kW(75ps)/5400rpm
●最大トルク:118Nm(12.5kgm)/3300rpm
●トランスミッション:4速AT
●タイヤ:185/60R15
●車両価格(当時):182万円

This article is a sponsored article by
''.