フォルクスワーゲンのラージSUV「トゥアレグ」に、プラグインハイブリッド車(PHEV)が2モデル追加設定された。日本導入は未定だが、ぜひ再導入に期待したいモデルだ。(Motor Magazine 2020年12月号より)

ハイパフォーマンスモデルながら実用性にも配慮

フォルクスワーゲンのハイエンドSUVであるトゥアレグに設定されたハイパフォーマンスモデル「R」。今回試乗できたのは量産プロトタイプとなる。パワートレーンはシステム最高出力462ps、システム最大トルク700Nmとなるが、これは340psと450Nmを発生する3L V6ターボエンジンと、136psと400Nmを発生する電気モーターの助けを借りている。

このプラグインハイブリッドユニットにより0→100km/h加速は5.1秒、最高速度は250km/hに達する。ラケッジルームフロア下に収納されている17.9kWhのバッテリーによって、およそ47kmのゼロエミッション走行が可能となり、エコにも配慮している。

さっそく全長4878mm、車重2.3トン以上もあるメタリックブルーの巨体に乗り込むと、豪華なキャビンが広がる。「イノビジョンコックピット」と呼ばれるデジタルインターフェイスは、ドライバー正面に12インチ、ダッシュボードセンターに20インチの巨大なタッチパネルが配置されている。またアルミとレザーで仕上げられたインテリアは、アウディに引けを取らない高い仕上げと品質を見せている。

V6エンジンと電気モーターが協調する走りは豪快そのもので、アウトバーンへの進入直後、すぐさま他の流れをリードして160km/h超で巡航速度に入る。長いホイールベース故に直進安定性も抜群で、さらにオプションの22インチタイヤ(標準は20インチ)にもかかわらず低速域をのぞいてゴツゴツした感じはない。また決して得意分野ではないがワインディングロードでもダイレクトなステアリングフィールでシャープなハンドリングを見せる。また回生機能を持ったブレーキフィールも不自然な感じはなかった。

ちなみにフォルクスワーゲンR社が、BMW M社やメルセデス・ベンツAMGなど他のパフォーマンス子会社と大きく異なる点は、「実用性」であると社長のヨースト・カピート氏は強調する。そのもっとも特徴的なアイテムがオプションのトーイングクラッチ(牽引フック)とトレーラーアシストで、3.5トンまでの容易な牽引を可能にしている。日本的に考えるとハイパフォーマンスSUVとしては少々ダサイかもしれないが、欧州のSUNオーナーの40%はこれを必要としているという。

ドイツでのベース価格は8万4660ユーロ(約1055万円)と現在のフォルクスワーゲンモデルの中で最も高価である。今のところ日本導入時期は未定だ。

画像: トゥアレグRより若干システム最高出力/最大トルクが劣るeハイブリッド。ただし、その走りに遜色はない。

トゥアレグRより若干システム最高出力/最大トルクが劣るeハイブリッド。ただし、その走りに遜色はない。

This article is a sponsored article by
''.