「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「三菱 ギャランフォルティス スポーツバック」だ。

三菱 ギャランフォルティス スポーツバック(2008年)

画像: キャビン及び空間を確保しつつ操作性を考えたアーチ型インパネなどもセダンと共通。スポーツはハイコントラストメーターやメッキフレームをあしらったシフトパネルなどで高級感を訴求する。

キャビン及び空間を確保しつつ操作性を考えたアーチ型インパネなどもセダンと共通。スポーツはハイコントラストメーターやメッキフレームをあしらったシフトパネルなどで高級感を訴求する。

三菱が再生をかけて投入した世界戦略車のギャランフォルティスは、プジョーとのアライアンスによって生まれたプラットフォームをもとに開発された。ロシアではヒットモデルとなって、三菱再生の大きな支えになったと聞くし、ヨーロッパでも高い評価を受けているという。

フォルティスセダンに実際乗ってみると、安定感の高さとしっかり感を保ったボディワークは昔の三菱車の質実剛健さを彷彿とさせるし、シャシを共有するランエボXの大パワーでさえしっかりと受け止められるほどの基礎体力を持っていることがよくわかる。それだけに、日本を代表する技術力の高さや、クオリティの高いシャシ性能を持ちながら、いまなお日本市場で受け入れられていないのは、正直言って残念なところだ。

こうした国内市場の活性化を狙って投入されたスポーツバックは、まさにハッチバックが人気のヨーロッパ市場で真っ向勝負する正統派モデルである。日本ではギャランフォルティス スポーツバックとして投入されるが、ヨーロッパ仕様のランサーと内容は基本的に同じ。世界戦略車の本命がいよいよ日本にも導入されたと言うわけだ。

実車をひと目見てカッコいいと思った。エボ顔とも言えるフロントマスクは、セダンのラリーアートモデルに続いて3代目となって、いよいよ浸透してきた感じだし、力強いシルエットをさらに引き締めている印象もある。ただ、インパネまわりの造形はいいが、素材は相変わらずプラスチック感が強くて安っぽい。これで品質感がスポイルされているのだと思うと残念だ。

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