地球環境保全の一環として乗用車の排出ガス中の二酸化炭素削減が、世界の自動車メーカーの大きな経営課題となっている。その解決策がパワートレーンを電動化する次世代車だが、どうにも普及率が低調なままだ。その理由は何なのだろうか。

“次世代車”という言葉は長く使われてきたが・・・

「次世代自動車」とひと言で言ってもどんなクルマを指すのか、自信を持って答えられる人は少ないかもしれない。購入補助金の交付やインフラ整備の促進など、次世代車の普及事業を行う次世代自動車振興センターによれば、ハイブリッド車(HV・HEV)やプラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)、電気自動車(EV)や水素自動車(FCV)を次世代車としている。

いずれも走行用の動力源に電気駆動のモーターを採用し、駆動用バッテリーの大きさ、外部からの給電機構の有無、発電用燃料の違いといえる。

日本ではHV、EV、FCV、PHEVを次世代車として、このうち堅調に売れているのはHVだ。2018年の新車販売台数が約527万台で、そのうちHVは約146万台となり市場シェアは27.6%に上る。新車の4台に1台がHVという計算だ。だがHV以外の販売台数は少なく、EVで約2.3万台(登録車と軽自動車)、PHEVで約2.1万台、FCVで約600台と大きく差をつけられている。

EV、FCV、PHEVの販売台数の少なさは、主に車両価格の設定、車種の少なさ、電気や燃料補給場所の少なさなどが考えられる。

次世代車の車両価格は高価だ。例えば2018年8月発売の三菱 アウトランダーPHEV Gグレードの車両価格は418万2840円で、2.4Lエンジンを搭載したアウトランダー 24Gグレードの価格は307万7460円と、その差額は約110万円にも及ぶ。この差額だけ見ると高価に感じるが、筆者とすれば性能面以外にも、移動できる電池「給電機能」を持つアウトランダーPHEVの魅力は差額以上と考える。しかし、この機能・性能を一般ユーザーに訴求するのはなかなか難しいのかもしれない。

画像: 次世代車のひとつに挙げられるPHEVを2012年から搭載している三菱アウトランダーPHEV。この他にもプリウスPHVやボルボ XC40 リチャージPHEV、MINI クーパーS E ALL4など、国内外ブランドから多くのPHEVモデルが登場している。

次世代車のひとつに挙げられるPHEVを2012年から搭載している三菱アウトランダーPHEV。この他にもプリウスPHVやボルボ XC40 リチャージPHEV、MINI クーパーS E ALL4など、国内外ブランドから多くのPHEVモデルが登場している。

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