2008年2月、トヨタ クラウンがフルモデルチェンジされて登場した。先代ゼロ クラウンから4年、「感動性能を追求した」という13代目はどんなモデルに進化していたのか。Motor Magazine誌では、さっそく販売が開始されたロイヤルとアスリートの試乗テストを行っている(ハイブリッドは遅れて5月販売開始)。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年5月号より)

安心感が漂うエクステリアデザイン

初代モデルの誕生は1955年と、すでに半世紀以上という数ある日本車の中でも屈指の歴史を持つクラウン。そんなクラウンが新型へとフルモデルチェンジした。初代モデルから数えて13代目という世代数の多さは、世界でも珍しいものだという。

ボディ骨格にシャシ、エンジンなどなど、すべてのメカニカルコンポーネンツを一気に新たなるアイテムへと世代交代させたことから「ゼロ クラウン」と称していたのが2003年にリリースされた従来型。今度のモデルはそんな従来型が用いた各種のユニットをリファインすることが求められた。

その新型のボディサイズは、全長と全幅が従来型に対してそれぞれ30mm、15mmとわずかずつ大きくなったものの、それは厳しさを増した歩行者保護性能への対応などが目的で、実際には「サイズは従来型と同等を当初から目指していた」という。

今や中国など海外に向けての販売量も急増はしているものの、それでも開発の軸足は明確に日本市場。「日本のための日本のモデル」であるクラウンにとって、無闇なサイズの拡大はこれまで打ち立ててきた名声を一気に失ってしまう危険性をもはらんでいるはずだ。

「クラウンらしさを表現する」という歴代モデルに求められる大命題を、今回はそうした基本的に手が加えられなかったディメンジョンの下で実現させる必要があったことも影響をしてか、見た目の雰囲気がこれまでのモデルと大きく変わっていない。

新型のエクステリアデザインは誰がどんなアングルから目にしても「クラウンそのもの」である。率直に言ってそこに新鮮さは薄いが、一方でいかにも安心して目にできるルックスでもある。

インテリアは、そんなエクステリアに対しては少しだけ大きな飛躍が感じられる。アッパーとロワーのつながり部分にひさし状の段差を残し、センターパネルはそこを「貫通」するというモチーフを用いたダッシュボードの造形はなかなか新しい。クラウンらしさを演じつつ新しい試みにトライをしたという点では、むしろエクステリア以上のエネルギーが感じられるのがこちらインテリアだ。

This article is a sponsored article by
''.