2016年の登場以来、初の大幅改良が施されたメルセデス・ベンツEクラス。最新パワートレーンの搭載や進化版MBUXの採用などに注目だ。

感心させられたMBUXの音声認識の高さ

最初に書いておくが、メルセデス・ベンツEクラスは、大が付くほど好きである。W124やW211を所有していたこともあるほどだ。乗り心地、走行フィール、そして精密な機械を動かしている感覚は、さすがメルセデスだと思っていたものだ。

そんなEクラスの新型に乗る機会を得た。試乗したのは、セダンとステーションワゴンがBSG搭載のE200、そしてクーペとカブリオレがE300である。さすがに一日4モデルも試乗、撮影するのは大変だ。記憶も混乱するが、取材メモを見ると、どのモデルにも共通している言葉があった「。乗り心地が硬い」である。

そういえば、現行EクラスW213がデビューした時も同様の印象だった。しかし2019年、試乗したE300アバンギャルドは見違えるほど良くなっていて、「これがEクラスだよ」とほっと胸をなで下ろしたものである。しかしそれが、元に戻ってしまったようだ。これは残念。またBSGを搭載するが、ハイブリッド感も薄い。BSGは主役ではなく、あくまで黒子、ということなのだろうか。

画像: ヘッドライトのデザインやクローム仕上げダイヤモンドグリル、バンパー下の2本のフィンなどが採用された。

ヘッドライトのデザインやクローム仕上げダイヤモンドグリル、バンパー下の2本のフィンなどが採用された。

逆にさすがメルセデスだな、と感心した部分もある。MBUXである。それは音声認識率の高さだ。年間に100台近くのクルマに試乗するが、そのほとんどのクルマの音声認識にはまだ不満が多い。スマホに到底追い付いていないものばかりである。しかしEクラスのそれは完全にスマホを凌いでいる。いや比べるのが申し訳ないぐらい優秀である。これだけでEクラスを選ぶ価値があるだろう。

さらにAR(拡張現実)ナビゲーションという日本初採用の機能も加わった。ナビに目的地を設定すると交差点などで実際の画像をディスプレイに表示するというものだ。ADASの充実ぶりも含め、この先進性は、さすがメルセデスである。(文:千葉知充)

画像: 地図上の現実の景色に矢印が示される日本初の「AR(拡張現実)ナビゲーション」を採用する。

地図上の現実の景色に矢印が示される日本初の「AR(拡張現実)ナビゲーション」を採用する。

■メルセデス・ベンツE200ステーションワゴン スポーツ主要諸元

●全長×全幅×全高=4955×1850×1465mm
●ホイールベース=2940mm
●車両重量=1790kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●総排気量=1496cc
●最高出力=184ps/5600-6100rpm
●最大トルク=280Nm/3000-4000rpm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=9速AT
●車両価格(税込)=810万円

This article is a sponsored article by
''.