「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「日産 フーガ」だ。

日産 フーガ(2009年:2代目プロトタイプ)

画像: ロングノース、ワイドトレッド、そして大径タイヤなど、新型フーガのプロポーションは伝統のFRフォルムを生かしながらも、独自性にあふれている。

ロングノース、ワイドトレッド、そして大径タイヤなど、新型フーガのプロポーションは伝統のFRフォルムを生かしながらも、独自性にあふれている。

「買ってよかった」と思わせ、「所有欲を持続的に満足させるもの」。そういうものを「プレミアム」と解釈する人は多いと思う。発売に先駆けて乗った新型フーガのプロトタイプは、まさにそんなプレミアムな仕上がりのクルマだった。

まず、スタイリングが強烈だ。うねるようなボディサイドのラインが躍動感にあふれ、それが強烈な色気をを感じさせる。写真で見ると気づかないが、近くで見るとボディパネルのほとんどに複雑な三次元プレスが施されている。いくつになっても色気を失わない体育会系美女(?)のような存在感だ。

ドアを開けると、ドアヒンジの精度と剛性が国産車としては異例に高いことがわかる。これは大幅にアップしたボディ剛性とも関係があるが、大きく重いはずのドアが、まるで精密機械のようにスーッと開く。自称「高級車」にありがちな、なんとかドアを支えているような弱々しい感じは皆無だ。

運転席に座って、ステアリングに手を触れる。これが本革巻きだが、専用のスムース革でいわゆるシボの類はない独特の感触が小気味良い。車内を見渡せば、クラス最大面積を誇る本木目パネルがドライバーを取り囲む。プレミアムインテリアパッケージを選べば、塗装工程で銀粉を職人が手作業で擦り込んだ上からトップコートを施した銀粉本木目フィニッシャーとなる。

画像: クラス最大の使用量を誇る本木目パネル。写真の銀粉本木目は職人が生地に銀粉を擦り込んだ上にクリア塗装を施した贅沢な仕様で、370VIPに標準、一部グレードにオプション設定。

クラス最大の使用量を誇る本木目パネル。写真の銀粉本木目は職人が生地に銀粉を擦り込んだ上にクリア塗装を施した贅沢な仕様で、370VIPに標準、一部グレードにオプション設定。

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