2006年11月のエッセンショーでデビューしたパサートのスペシャルモデル「R36」が、2008年ついに販売開始されることになった、。同時に日本導入計画もスタート、日本仕様はヴァリアントのみとなるが、このスペシャルモデルはどんな個性を発揮していたのか。フォルクスワーゲンの本社があるドイツ・ウォルフスブルグで開催された国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

日本仕様はヴァリアントのみだが欧州にはセダンも

いよいよこの秋に日本に導入されるというパサートR36は、フォルクスワーゲンのスペシャリティモデルを製作する関連会社、VWインディビデュアルによるもの。こう説明すれば、日本ではゴルフR32がお馴染みだろう。

その兄貴分となるR36は、先にパサートCCでお披露目された超狭角の3.6L V6 FSIを搭載。発揮される300ps/350Nmは6速DSGを介し4MOTIONで路面に伝えられる。ちなみ最高速はリミッター作動により250km/h。0→100km/h加速は重量のハンデを負うヴァリアントでも5.8秒と、フォルクスワーゲンのラインアップの中にあって最速であり、特別なモデルとして位置付けられる。

ちなみに日本導入の車種はヴァリアントのみとなり、今年中に導入されるパサートCCとの棲み分けを図ることになりそうだ。

前後のバンパーセクションやスポイラーによって控えめに秘めたるところを表したエクステリア、またエンジンターンドのアルミトリムとDシェイプステアリングやバケットタイプのスポーツシートでドレスアップされるインテリアは、ゴルフR32にも通じるテイストだ。

固められたサスペンションによる乗り心地の悪化は、ごく低速時のざらつきを除けば今日のスポーツサルーンとして上質な部類に仕立てられている。一方でボディのロールや上下動はカチッと抑制されており、相当強くフラット感を意識したと思わしき乗り味が印象的だ。

この点、日本に導入されるヴァリアントはセダンに対してボディ形状の関係で音振の不利があるものの、ボディ剛性自体は遜色がない。ただし、絶対的な乗り心地は電子制御サスペンションを持つパサートCCに譲るなど、ユーザーはかなり芸風の違う3車の選択に頭を悩まされることになりそうだ。

違いといえば、エンジンの存在感も然りだ。絶対的なパフォーマンスはパサートCCと同等とアナウンスされているものの、そのフィーリングは大きく異なり、パサートR36は獰猛といえるほどの演出が、特に音まわりに施されている。この辺りがRシリーズならではのアイデンティティということになるだろう。ともあれ、R36とパサートCCのローンチによって、フォルクスワーゲンの上位クラスのバリエーションが一気に広がることは間違いない。

画像: Rモデルの公式に則った仕上がり。VWインディビデュアル社製らしく凝ったインテリア。

Rモデルの公式に則った仕上がり。VWインディビデュアル社製らしく凝ったインテリア。

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