「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ マークX(3.5L)」だ。

トヨタ マークX 3.5(2009年)

画像: もっともスポーティなグレードの350S(クルマは違うがタイトル写真も同じグレード)。まさに「羊の皮をかぶった狼」か。

もっともスポーティなグレードの350S(クルマは違うがタイトル写真も同じグレード)。まさに「羊の皮をかぶった狼」か。

前回はマークXのメイン車種である2.5L仕様の試乗レポートをお届けしたが、同時に3.5L仕様も試乗できたので、紹介しておこう。

発売からの1カ月で月販目標台数3000台の4倍を超える1万4000台の受注があったというマークX。ハイブリッドが全盛で通常のセダンは厳しい昨今、なぜマークXはこれほどまでに売れているのか? 238万円からという比較的お求めになりやすい価格設定も功を奏しているようだが、前回に紹介したように、2.5Lでも今までのトヨタ車にない乗り味に仕上げられてことにもよるだろう。

では、従来型の3Lから3.5Lにアップされた上級グレードの走りは、どう変わっているだろうか。まずは、スポーツタイプのトップモデル「350S」に乗ってみた。このモデルにのみ「VGRS」と呼ばれるギア比可変ステアリングが装着されているのだが、その違和感のなさに驚かされた。ギアレシオは最小10.5まで小さくなるのだが、それが多少わかるのは車庫入れのときくらいだろう。

しかも、それですら極めて自然なフィーリングを持っていて、BMW 5シリーズのそれのように低速でスラロームがしにくいようなリズムにはならない。それでいながら、わずかなハンドル舵角で小回りが効くのだからありがたい。

画像: クラウンやレクサスIS350にも採搭載されている3.5LのV6 DOHCは、最高出力318psと最大トルク38.7kgmを発生する。

クラウンやレクサスIS350にも採搭載されている3.5LのV6 DOHCは、最高出力318psと最大トルク38.7kgmを発生する。

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