2008年、7年ぶりのフルモデルチェンジでジープ チェロキーが3代目へと進化した。コマンダーやパトリオットの登場もあって、3代目チェロキーは伝統的なスクエアフォルムに原点回帰。新開発の電子制御4WDシステムを採用したのも大きな話題となった。Motor Magazine誌ではさっそくオフロードとオンロードで3代目チェロキーを試している。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

ぬかるんだオフロードでジープの面目躍如

クライスラー日本によると、ジープグランドチェロキーや三菱パジェロといったSUVモデルの日本での販売台数は、輸入車と国産車の合計で、2003年の18万6558台が、2007年には25万1799台にまで増加したという。

今回フルモデルチェンジされたチェロキーは、まさにこの人気ジャンルのクルマである。新型チェロキーは、ジープブランドに期待される高いオフロード性能だけでなく、オンロード性能を含めた日常での使いやすさも向上させている。

その最も大きな変化は、4WDシステムを「セレクトラック2 4×4システム」へと進化させたこと。これまでのパートタイム式から、電子制御によって車輪の空転を予測し、前後のトルクを最適に配分するフルタイム式となった。また、左右輪にトルク差が生じた際には、ブレーキロックディファレンシャル(BLD)によって、空転するタイヤにブレーキをかけ、接地しているタイヤのトルクを確保する。これらにより、砂の浮いたような乾燥した舗装路での走行性能も向上した。

セレクトラック2は、センターコンソールによるスイッチで、3つのモードを選択できる。後ろ寄りのトルク配分をベースに、状況によってそれを可変させる4×4オートモードと、前後フルロックとなる4×4ローモード、そして100%後輪駆動となる4×2モードの3つである。

また、急勾配の下りの走行や坂道発進を補助する、ヒルディセントコントロール(HDC)とヒルスタートアシスト(HSA)を初搭載した。これらの機能は、アメリカ本国のグランドチェロキーなどには搭載されるグレードもあるが、日本で販売されるジープブランドのクルマでは意外にも初となる。

試乗にはこうしたオフロード性能を体感するのに、ぴったりのコースが用意されていた。さっそく4×4ローモードでコースインした。コースは朝からの雨でぬかるんでおり、水たまりも深くなっていたが、それらを苦にすることなく走り抜けることができた。

途中、急勾配の下りでは、4×4ローモードでのみ使用できるHDCが重宝した。ギアをローに入れた状態でHDCスイッチを押して作動させれば、1.5km/hで下ることができ、少し余裕がある時にはセカンドに入れると4.5km/hをキープしてくれる。また、坂道発進を補助するHSAも心強く、ジープというブランドからイメージされる、高いオフロード性能を体感できた。

画像: 試乗コースに用意されていたオフロードはかなりぬかるんでいたが、4×4ローモードで走り出すとどんどん前に進んでいく。

試乗コースに用意されていたオフロードはかなりぬかるんでいたが、4×4ローモードで走り出すとどんどん前に進んでいく。

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