2008年、2代目メルセデス・ベンツAクラスが大掛かりなフェイスリフトを受けている。デビュー4年目のお色直しとも言われたが、メルセデス・ベンツはこの時、Aクラスにどんな変更を加えたのか。同時にフェイスリフトされたBクラスとともに、ドイツ・ベルリンでの国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

見た目の変更は新旧の差を言い当てるのが難しいほど控え目

今年2008年上半期のドイツ自動車市場を振り返ると、ナンバーワンは相変わらずゴルフだが、2番目にメルセデス・ベンツCクラスが入っている。そして3番目がパサート、続いてBMWの3シリーズと1シリーズがそれを追っている。本来ならトップ10に入るべき、AおよびBクラスは前年同期でそれぞれマイナス3.8%とマイナス0.8%で大きく後退、そろそろリフレッシュの段階に入ったことを示している。

1997年、当時のダイムラー・ベンツ社長ヘルムート・ヴェルナーが「都市が変わらないのならばクルマを変えよう」というスローガンの下に誕生した全長わずか3.57mの近距離交通手段であるベビーベンツは、同時にこのクラスに君臨するゴルフと真っ向ぶつかることから「ダイムラーのフォルクスワーゲンへの挑戦」として、当時マスコミを賑わせた。

またシャシセッティングのミスから転倒問題が持ち上がり、Aクラスの船出には暗雲が立ち込めてしまった。しかしメルセデス・ベンツは、ESPを全車に標準装備するなどして名誉挽回に努力、その後、2004年のモデルチェンジを経て販売は順調に推移し、今年の春までには総販売台数はおよそ170万台を記録している。そして、モデルチェンジ後、4年ぶりにフェイスリフトが行われた。

ドイツの首都ベルリンで開催された国際試乗会に現れた新しいAクラスは、ひと目見ただけでは新旧の差を言い当てるのが難しいほど控え目だった。

それでも仔細に見れば、エクステリアではヘッドライトの形状がわずかに変わり、輪郭が切れ長になっているのがわかる。またバンパー下のエアインテークは横長で面積が大きくなり、スポーティな雰囲気を増した。中央のメルセデスグリルも輪郭がシャープになっている。さらにドアミラーは新たな安全法規に適合させるために、およそ20%ほど面積を大きくなり、ハウジングの形状とインテグレートされたターンシグナルライトも横長になった。

ボディ後方部分ではリアコンビネーションライト下方の輪郭が、ボディのキャラクターラインに無理なく流れ込むように変更を受けている。またリアバンパーの形状も変わった。

インテリアもほとんど変化がないが、内装トリムがアップグレードされ、同時にセンターコンソールの物入れが大きくなり、カップホルダーも使いやすくなっている。また電装品類は当然アップグレードされている。MP3対応のCDプレーヤー、さらにオプションのコマンドAPSは40ギガバイトのハードディスクを持ち、リンガトロニック(音声入力)も可能になった。

画像: メルセデス・ベンツA200。ヘッドランプ、フロントグリル、バンパーなどのデザインがわずかに変更されたが、それほど大幅なものではなく、中身が中心のフェイスリフトだった。

メルセデス・ベンツA200。ヘッドランプ、フロントグリル、バンパーなどのデザインがわずかに変更されたが、それほど大幅なものではなく、中身が中心のフェイスリフトだった。

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