「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は取り上げるのは「ホンダ CR-Z」だ。

ホンダ CR-Z(2010年)

画像: コンパクトなボディに低全高・低重心・ワイドトレッドのパッケージングを実現。重量物の配置を最適化することで、前後重量配分は60:40としている。

コンパクトなボディに低全高・低重心・ワイドトレッドのパッケージングを実現。重量物の配置を最適化することで、前後重量配分は60:40としている。

CR-Zの実車を目の前にすると、外観はエッジが効いた直線基調の精悍な印象で、しかもボリューム感がある。だから地に足が着いた安心感があって、環境性能だけをウリにするような媚びた印象はない。どこから見ても立派なスポーツモデルの出で立ちだ。

ハイブリッドシステムは基本的にインサイトと同様だが、エンジンはインサイトの1.3Lから1.5Lへとスケールアップされている。エンジン単体の最高出力は88㎰から114ps(MTモデル)と3割近くもパワーアップされ、スポーツモデルとして可能な限り力を絞り出している。

モーターのスペックはインサイトと基本的に共通だが、CR-Zではスポーツ/ノーマル/エコの3モードドライブシステムを採用して、環境性能と走りのモードを明確に分け、6速MTのスポーツモードではモーターアシスト量を一層高めることで加速性能を重視している。CVTもシフトスケジュールを緻密にコントロールすることで同様のスポーツシーンを演出する。

今回はCVTモデルの試乗となったが、気持ち良さといった点では十分に満足できた。最近のホンダ車は走りのしっかり感がよく伝わってきて安心感も向上してきているが、CR-Zもステアリングを切り込んでいった時の正確な動きや、旋回中のトラクションが落ち着いていて、シャシ性能の高さが感じられる。

画像: エンジンの排気量は1.5Lにアップし、最高出力は113ps(CVT)を発生。組み合わせるモーターはインサイトと同じものを採用。

エンジンの排気量は1.5Lにアップし、最高出力は113ps(CVT)を発生。組み合わせるモーターはインサイトと同じものを採用。

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