2008年、メルセデス・ベンツから初代GLKもデビューしている。BMW X3がほぼ独占していたプレミアムコンパクトSUV市場にアウディQ5、VWティグアンなどともに参入、にわかにマーケットが活気を帯びてきた。では、初代GLKはどんな個性を発揮していたのか、ライバルとはどう違っていたのか。今回はドイツ・デュッセルドルフで開催された国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年9月号より)

乗用車ライクであり、スポーティな乗り味

今年2008年1月のNAIAS(デトロイトショー)でコンセプトモデルとして登場、その後、4月の北京自動車ショーでデビューを果たしたメルセデス・ベンツ初のコンパクトSUVがGLKだ。

ドイツモデルとしては長い間BMW X3の牙城だったこのジャンルに、ティグアン、Q5、そしてGLKが同時期に相次いで登場したのは興味深い。以前からRAV4やキャシュカイなど日本車の人気も高かったヨーロッパではもちろん、燃料高騰の影響で自動車のダウンサイジング化が進むと言われるアメリカ市場、また新興マーケットである中国でも今後市場規模の拡大が期待されるジャンルのため、メルセデス・ベンツではGLKを「今年のハイライトのひとつ」と位置づける。

全長は、ひとつ上の兄貴分、Mクラスよりも約260mm短い4528mm。これは、ティグアン(4427mm)とQ5(4629mm)の間に位置し、X3とほぼ同じとなる。

搭載エンジンはガソリン2種、ディーゼル2種の計4種類。そのうちGLK220CDIブルーエフィシエンシーは来年2009年の発売となる。このモデルは新型の4気筒ディーゼルエンジンを搭載したエントリーモデルで、170ps/400Nmを発生するパフォーマンスと、6.9L/100km(14.5km/L)の好燃費を両立しているという。

GLKの国際試乗会は、ドイツ西部の街デュッセルドルフで開催された。初めて目にするGLKは、写真から想像するよりもはるかにワイド&ローなスタイルで、精悍な印象だ。また直線を基調にしたクラシカルなデザインは、どこかGクラスを思い出させる。これは単なるシティ派SUVではなく、オフローダーとしての実力も備えているということを外観からもアピールする意思の表れなのかもしれない。

まずは市街地を抜け、アウトバーンを走行する。試乗したのは3.5L V6エンジンを搭載するGLK350。試乗車には前235/50、後255/45の19インチタイヤ(ピレリPゼロ)や、車高を20mm下げたスポーツサスペンションなどを装備したエクステリアスポーツパッケージがオプションとして装着されていた。

標準搭載された7Gトロニックで滑らかに加速していく。締まりのある足なのだが、路面が悪くなった場所でも19インチの低扁平タイヤを履いているとは思えないほど当たり感は少なく、いなしは上手い。高速域にいくとドアミラーあたりから発生する風切り音が少々気になるが、静粛性は悪くない。

アウトバーンを降りワインディング路に向かう。ここでの走りは非常にスポーティだ。MやGL、Rクラスにある、あの大らかなゆったり感はそこにはない。ロール感も少なくコーナーをクリアしていく感覚は、視線自体は高いのだがSUVよりもむしろセダンモデルに近い印象で、ベースとなっているのがCクラスだということを思い出させる。ここまでのインプレッションだけならば、「オンロード重視のシティ派SUV」だと断言してしまいそうになるのだが。

画像: アウトバーンを走行するGLK350 4MATIC。メルセデスらしい安定感のある走りを見せた。

アウトバーンを走行するGLK350 4MATIC。メルセデスらしい安定感のある走りを見せた。

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