ロードスターと過ごす時間があるだけで、小さな幸せが積み重ねられていく。ペットを家族の一員と思うのと同様に愛車はもう自分の相棒であり分身なのだ。NAロードスターをこよなく愛す夫婦を紹介する。

新車のごとく蘇ったユーノス ロードスター Vスペシャル

画像: 瀬戸内の穏やかな海とロードスター、素晴らしい組み合わせだ。

瀬戸内の穏やかな海とロードスター、素晴らしい組み合わせだ。

2018年から始まったロードスターのレストアサービス。その1号車となったオーナーを取材した。場所は広島県の生口島。マツダの本拠地、広島在住とあって第1号のレストア車としては「できすぎ」な感じだが、まったくの偶然だという。はやる気持ちを抑えて第1号車のオーナーである西本夫妻の自宅へ向かった。

高台にある邸宅から海が一望できる最高のロケーションは、まるで映画のワンシーンのようだ。そしてモダンなデザインの邸宅の庭に駐められた「ユーノス ロードスター Vスペシャル」。初めて見るレストアロードスターは、新車の輝きそのものだった。

オーナーの西本さんは、神奈川県で半導体を開発するエンジニアとして長年勤めていた。そこではやりたいことをさせてもらっていたが、いつの日か顕微鏡を覗くミクロの世界とは違うことがしたいと思うようになり、いきなりトマト農家に転身したそうだ。しかも奥様には事後報告だったという。

新車のごとく蘇ったロードスターで旅する先は……

画像: まるでデビュ当時の写真と思わせるような輝きのナルディのウッドステアリング。

まるでデビュ当時の写真と思わせるような輝きのナルディのウッドステアリング。

トマト農家を引退してからは、これまで満喫できなかったカーライフを楽しむと心に決め、まずは傷んでいる部分を修理するために工場を探し始めた。ちょうどその頃、マツダのレストアサービスのことを新聞で知り、せっかくレストアするなら製造元のマツダに作業してもらうのが安心ということでサービスに応募したそうだ。

西本さんはもともとクルマ好きで、親が所有していたプリンス スカイラインに始まり、フェアレディZ、ジャガー、BMWといろいろなクルマを乗り継いできた。その反動もあり、いつしか小さいクルマが欲しくなり、ホンダ シティを乗った後に、モーターショーで一目惚れしたブリティッシュグリーンのロードスターに出会い、今に至るそうだ。

レストア作業が始まったはいいものの、途中経過が気になり現場へ足を運んだこともあったそうだ。そこで全バラになった愛車を見ることができたのは、とてもラッキーだったと語っていた。

最後に「新車のように蘇ったロードスターでどこを旅したいか」と尋ねると、結婚式を挙げた軽井沢へ行きたいと答えた。しかし、奥様は広島よりも西の九州へドライブしたいと答えた。それぞれの行きたい場所が離れていればいるほど、一緒にいる時間が長くなる。だから奥様は逆の方向を望んだのかもしれない。青春時代に舞い戻った夫婦とレストア第1号のロードスターは、いつまでもゆるやかな時を一緒に過ごすことだろう。

This article is a sponsored article by
''.