2008年8月、5代目ゴルフのヴァリアントに122ps仕様の1.4TSIエンジンと7速DSGを搭載する「TSIトレンドライン」が登場した。Cセグメントの実用性本意のワゴンとして、このゴルフヴァリアントのエントリーモデルはどう評価されたのか。Motor Magazine誌ではワゴン特集の中で、ヴァリアントはゴルフシリーズにあってどういう存在なのか、トレンドライン同士でゴルフ/ゴルフトゥーランと比較しながらその魅力を探っている。今回はその興味深いレポートを振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年10月号より)

遅れて登場した122ps仕様のヴァリアントTSIトレンドライン

現行のゴルフVは2004年から日本導入が始まり、以後バリエーションの拡充を行ってきたが、ワゴンモデルの登場は遅れに遅れてファンをやきもきさせた。ハッチバックの登場から実に3年も待たされたのだ。

3代目となるこのモデルからヴァリアントと呼称を改めての登場となったが、その軸足はまったくブレておらず、実用性本意のワゴンに仕上がっている。ゴルフの基本メカニズムを踏襲しながら、全長を拡大して大きな荷室を確保した結果、5名乗車でのラゲッジルームは505L(VDA法)。ダブルフォールド式の後席をたたみ、完全フラットなラゲッジ床の拡大を図ると実に1495Lもの容積が得られるのだ。

ひとクラス上のDセグメントでも、これだけ収納力の大きな荷室を備えるワゴンはそう多くはない。実用性が厳しく問われるCセグメントワゴンの中にあって、ゴルフヴァリアントは王道を極めるパッケージングを採り続けていると言っていいだろう。

しかし、2007年9月に日本導入が始まったゴルフヴァリアントは、200psの2.0TSIを積むスポーツラインと、170ps仕様の1.4TSIツインチャージャーを搭載するコンフォートラインの2モデルであった。登場が遅れたことで、ハッチバックの初期にあったFSI自然吸気エンジンは搭載されず、最初から最新のTSIを得ていたわけだが、冷静に考えれば200psと170psの2本立てというこのラインアップは、やや高出力に偏向している感も否めなかった。

実用性と軽快な走りをバランスよく楽しめるのがステーションワゴンの魅力ではあるものの、Cセグメントではイニシャル/ランニングの両コストの低減も大切なポイント。そんな重責を担ってこの8月に新たにラインアップに加わったのが、ゴルフヴァリアントTSIトレンドラインである。

画像: ゴルフをベースに広い荷室をプラス。高い実用性が魅力のゴルフヴァリアント。122ps仕様1.4TSIでは非力かという心配もあったが、TSIトレンドラインの走りはパワフルで不満を感じることはなかった。

ゴルフをベースに広い荷室をプラス。高い実用性が魅力のゴルフヴァリアント。122ps仕様1.4TSIでは非力かという心配もあったが、TSIトレンドラインの走りはパワフルで不満を感じることはなかった。

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