日本のインポートモデルマーケットで重要な割合を占めるドイツ車勢だが、このセグメントでの動きは静かだった。そうした中で、魅力的な存在としてデビューしたのがフレンチブランドの2モデルだ。とくに、プジョー208のコンセプトは斬新だった。(Motor Magazine2021年2月号より)

存在化を示したフランス生まれのニューフェイス

フォルクスワーゲン ポロやアウディ A1スポーツバック、さらにはMINIの3ドアハッチバック/5ドアハッチバックといったモデルたちが、このカテゴリーに属するいわば「メジャープレーヤー」にあたる。

そして、それらがみな時期的にモデルチェンジの狭間にある中で、2020年の日本マーケットで目立った話題を振りまいてくれたのは偶然にも、ともにフランス生まれの新型モデルたちであった。プジョー 208とルノー ルーテシアという、2台の5ドアハッチバックモデルだ。

とくに、2019年春に開催されたジュネーブモーターショーで発表され、2020年夏にルーテシアよりもひと足早く日本への導入が開始された208は「エンジン仕様とピュアEV仕様をまったくの同格として扱う」という新たなコンセプトも大きな話題を呼んだ。共通のプラットフォームを採用して、従来タイプのエンジンモデルとピュアEVの電動モーターモデルを並行して発表、そしてデビューさせたのだ。

プライスタグ上では、やはりピュアEV仕様が明確に高価であることは事実。けれども「補助金や燃料代までを考慮に含めれば、維持していく上でのコストは大差が生じないように配慮する」というのが、動力源の相違によってユーザーの負担が大きく変わってしまわないように考えられた新型208ならではの特徴である。

厳しさを増した新たな燃費測定法「WLTPモード」への対応や、喫緊の課題となった電動化への取り組みなどもあってか、ドイツ勢の話題が少なく感じられたのも2020年のA/Bカテゴリーの特徴。前述のような課題への対応にマンパワーを割くために「モデルチェンジの時期を先送りにした」といったニュースまでもが聞こえてくる状態だ。

画像: 「セグメントの枠にとらわれない」ことを掲げ、ユーザーが求めるものを実現するべく開発された5代目となるルノー ルーテシア(本国でのモデル名はクリオ)。従来型よりも全幅は25mm拡大されて、車内空間の快適性が向上さた点もポイント。

「セグメントの枠にとらわれない」ことを掲げ、ユーザーが求めるものを実現するべく開発された5代目となるルノー ルーテシア(本国でのモデル名はクリオ)。従来型よりも全幅は25mm拡大されて、車内空間の快適性が向上さた点もポイント。

This article is a sponsored article by
''.