「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホンダ フリード スパイクだ。

ホンダ フリード スパイク(2010年:初代)

画像: 全長×全幅×全高の3サイズからホイールベースまで、寸法はフリードとまったく同じ。撮影車はGジャストセレクション。

全長×全幅×全高の3サイズからホイールベースまで、寸法はフリードとまったく同じ。撮影車はGジャストセレクション。

高人気を持続しているホンダのコンパクト ミニバン、フリード。その前身であるモビリオ時代に派生モデルとして生まれた「スパイク」が、現行のフリードにも追加設定された。7人乗りだったモビリオを5人乗り仕様にしたことで「広い室内」を標榜していた。そのコンセプトはマーケットに受け入れられ、モビリオ シリーズの累計販売台数の約半数をスパイクが占めるほどの人気を集めた。

今回のフリード スパイクでも、そのコンセプトは継承されているが、テーマはさらに深化し、いかに広い室内スペースを、どう「遊ぶ」のか?と考え、「趣味に使う便利な道具」として見立ててきた。つまり、フリード スパイクが目指すのは「趣味や遊びの基点となる走るベースキャンプの創造」。ワクワクするような遊び心をテーマに掲げている。

その目玉となるのが、アイディア装備の反転フロアボードだ。ラゲッジスペースのフロアボードをひっくり返すことで、カーゴルームの床をフラットにも、スロープ付きの低いものに変えることができる。実際に反転フロアボードを試してみると、思った以上に軽量かつ剛性感があることに驚いた。重量は小さい右側(運転席側)で2.7kg、大きな左側で4.7kg。樹脂製のボード本体にはアルミの補強材が内蔵されているので、少々重いものを載せても、床がヘナヘナとしなることもない。

また、2列目シートの背もたれはワンモーションで倒れ、しかも、倒れたシートバックが反転フロアボードと同じ高さでフラットになる。この状態で全長180cmほどのエアベッドを敷き詰めることもできる。つまり、フラットな床で車中泊も快適至極というワケだ。もう少し上下方向にスペースが必要な場合は、反転フロアボードをクルリとひっくり返せばOK。マウンテンバイクだって分解不要、立てたまま搭載が可能だ。

画像: インパネまわりの基本デザインはフリードと変わらない。トランスミッションはFFではCVTだが4WDでは5速ATとなる。

インパネまわりの基本デザインはフリードと変わらない。トランスミッションはFFではCVTだが4WDでは5速ATとなる。

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