「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 フーガ ハイブリッド(プロトタイプ)だ。

日産 フーガ ハイブリッド(2010年:プロトタイプ)

画像: 取材車は輸出仕様のため、車名のエンブレムはインフィニティが装着されていたが、内外装とも日本仕様とほとんど変わらない。

取材車は輸出仕様のため、車名のエンブレムはインフィニティが装着されていたが、内外装とも日本仕様とほとんど変わらない。

ようやくハイブリッド車の市場に向けて日産が動き出す時が来たようだ。その第一弾となるのが、このフーガ ハイブリッドだ。このクルマが搭載するハイブリッドシステムは「ピュアドライブ ハイブリッド」と呼ばれるもので、1モーター2クラッチという成り立ち。充電用と駆動用のモーターを併せ持つトヨタ方式とは異なり、エンジンとトランスミッションの間に搭載されたモーターがその両方を受け持つ。

だが、このシステムを達成するための制御は、実に緻密で難しい。まずエンジンとモーターの間に乾式クラッチをひとつ。そしてATのトランスミッションとプロペラシャフトの間に湿式クラッチをもうひとつ採用している。このふたつのクラッチを走行環境に合せて断続させることで、エネルギー回生からモーターアシストを行なっているというのだから驚きだ。つまり、このシステムにはATのトルクコンバーターは存在しないというわけだ。

結果として、このピュアドライブ ハイブリッドは、とてもシンプルな造りになった。既存車のATのトランスミッション部にクラッチとモーターを押し込むことができ、バッテリー以外は今までとほぼ同じスペース効率だといっていい。結果として重量増は、わずか100〜120kgに抑え込んでいるようだ。

搭載されるモーターは50kWもの出力を持つハイパワータイプ。これに瞬間的な充放電特性に優れるリチウムイオンバッテリーを組み合わせている。

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