プレミアムSUVが大きな注目を集める中、2008年に登場したBMW X6 xDrive50iとポルシェ カイエンGTSは「プレミアムSUVのその先」の可能性を示していた。Motor Magazine誌もそうした動きに着目、2台の試乗テストをとおして、プレミアムSUVがどこに向かおうとしているのか考察している。ここではそのレポートを振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年11月号より)

さらなる広がりを見せるプレミアムSUVの世界

1998年に北米市場に投入されたレクサスRX(日本名トヨタ ハリアー)が火付け役となったプレミアムSUVというムーブメントは、トヨタ自身も想像していなかったほどの盛り上がりを見せることとなった。

つまり、この10年間に世界の名だたるプレミアムブランドがこのセグメントに参入し、それまで北米で親しまれていた本来のSUVとはまったく異なる独自のカテゴリーへ発展したのだ。そこはまさに新しい意匠と、駆動系を始めとする様々な新機構、そして飽くことなくハイパワーを追い求めるワンダーランド。エコが声高に叫ばれるこのご時世、こんなことばかりにふけっていて良いのかという危惧は、僕の中にもある。しかし僕はプレミアムSUVを否定しない。なぜならこのカテゴリーは、技術のテストベッドという意味合いを強く持っているからだ。

重さに対しては軽量化が行われるし、パワーを追求しつつ燃費を向上させる技術も様々に考案されつつある。さらに、腰高なボディを機敏に動かすためにサスペンションや駆動方式にも新機軸が盛り込まれる。つまりひと一昔前にスポーツカーが担っていたような役割を、現代はプレミアムSUVが担っているのだ。

それにしてもRXから10年である。すでに顔ぶれは出揃い、2世代目に突入したクルマも多い。そこでプレミアムSUVはバリエーションの裾野を拡げる熟成期に入った。ひとつはGLKやQ5に代表される小型化。そして一方では、既存の大型モデルのプレミアムの部分を際立たせた、より尖ったモデルが登場しつつある。今回はその大型モデルの代表格と言える、BMW X6 xDrive50iとポルシェカイエンGTSの2台を試してみた。

画像: SUVのシャシに4ドアクーペのボディを組み合わせてSAC(スポーツアクティビティクーペ)というジャンルを打ち出したBMW X6。クーペなのに高い車高は、圧倒的な存在感を放っている。

SUVのシャシに4ドアクーペのボディを組み合わせてSAC(スポーツアクティビティクーペ)というジャンルを打ち出したBMW X6。クーペなのに高い車高は、圧倒的な存在感を放っている。

画像: 他のカイエンよりも全高を24mm(試乗車はエアサス装着車のため20mm)落とし、カイエンターボに準じるエクステリアを持つカイエンGTS。

他のカイエンよりも全高を24mm(試乗車はエアサス装着車のため20mm)落とし、カイエンターボに準じるエクステリアを持つカイエンGTS。

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