「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ 911GT2 RSだ。

ポルシェ 911GT2 RS(2010年)

画像: 黒基調でステアリングやドア内張りの一部のリムを赤で装う。シフトレバーやハンドブレーキはアルカンターラ、ダッシュボードトリムはカーボン。

黒基調でステアリングやドア内張りの一部のリムを赤で装う。シフトレバーやハンドブレーキはアルカンターラ、ダッシュボードトリムはカーボン。

ポルシェ 911の歴史の中で「最強・最速」の座を誇ってきた(編集部註:2010年当時)のは、2007年秋にリリースされた997型のGT2だ。0→100km/h加速が3.7秒で、最高速は329km/h。530psという強大な最高出力に最大トルクも680Nmというスペックは「911の皮をかぶったスーパーカー」といっても過言ではなかった。だが、その上を目指して、世界限定500台で「911 GT2 RS」が販売される。

レン シュポルト=レーシング スポーツを意味する「RS」と名の付くものは、ポルシェ車の中にあってもサーキット走行を強く意識した特別なモデルと相場は決まっているが、実はこのGT2 RSの場合は、意外にも出場可能なレースカテゴリーが存在しない。にもかかわらずポルシェがこうしたモデルをリリースしたのは、前出のGT2のリリース直後、100kgの軽量化を行い、エンジン出力を560psにまで上げた試作車のフィーリングが、「RSを名乗るのにピッタリ」というものだったからと言う。

ちなみに、その試作車でのニュルブルクリンク旧コースのラップタイムは、ベース車両マイナス3秒の7分29秒。この値が、日産 スカイラインGT-R(R33)が盛んにアピールした数字と同一なのは、単なる偶然であろうか・・・。

そんな試作車の市販バージョンとして生まれたGT2 RSで、まず手がつけられたのが軽量化だ。カーボンファイバー樹脂製のフロントフードや、ポリカーボネート製のリア/リアサイドウインドーの採用、エンジン フライホイールのシングルマス化などにより、GT2よりも70kgの軽量化が達成されている。

エンジンの最高出力はGT2よりも90psアップ。インタークーラーの効率アップや、それを前提とした最大過給圧のアップ(1.4→1.6バール)で達成した620psという値は、あのスーパーポルシェ「カレラGT」用10気筒ユニットの612psさえ凌いでいる。

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