近年、プジョーが全力で展開しているSUV戦略の大躍進を支えてきた主役、と言っていいだろう。欧州のベストセラーCセグメントSUVである3008が、よりハンサムに生まれ変わった。クオリティやADAS(先進運転支援システム)も含めたグレードアップぶりは、さらなる飛躍を確信させるものだ。また、3008をインプレッションした動画を記事末に用意しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。

より大胆に繊細に高いクオリティを誇るプジョー3008の顔

夜の新東名高速道路を、淡々とクルージングする。

フランスの高速道路といえば、制限速度は130km/hが通り相場。そのためフランス車の多くは、このスピード域がスイートスポットとなるように乗り心地やハンドリングがチューニングされている。制限速度が一部で120km/hに引き上げられた新東名高速は、そんなフランス車の魅力を堪能するのに理想的な環境だろう。気がつけば、新型3008の魅力にどっぷり浸っていた。

操っているのは、2021年1月に日本へ導入された改良版だ。進化の最大のポイントはやはり、フェイスリフトを受けたフロントマスク。新型3008では、現行型508で登場した最新世代のデザイン言語が採用されている。

もっとも目を引くのは、ヘッドライトから下に向かって伸びるライオンの牙のごときデイタイムランニングライトだろうか。それと隣接するようにして、ヘッドライトの下側を新たに彩っている、細かな細工にも心を奪われた。ボディと同色のストライプ模様が徐々にフロントグリルに溶け込んでいくかのようなグラデーションは、精緻な加工によって初めて実現できたものだ。

受け取った直後のテストカーはまったくの新車状態ということもあって、つややかな白系ボディに新フェイスの組み合わせが、とてもゴージャスな印象を与えていた。走行距離も、もちろんわずかなものだった。

もっとも、そのためだろうか。市街地を走り始めた直後はタイヤから軽いコツコツ感が伝わってきたり、ディーゼルエンジンのサウンドがそれなりに耳に届いてくる。だがそれらは機械としての精度感を強く意識させる上質なもの。安っぽさは皆無でむしろ、クルマを走らせる実感が伴っていて好ましいとさえ感じられた。

そうしたサスペンションの感触やエンジン音は、車速を上げていくとスーッと消え去っていく。

あとに残るのは軽い風切り音と快適な乗り心地だけ。それさえも押しつけがましいところは一切なく、気を緩めると控えめに流れているBGMの世界に没入していたり、南フランスを目指すオートルートを流していたときの思い出がよみがえってきたりする。

新型3008はそれほどさり気なく、そして心地よく、耳障りな音もなく・・・夜の高速道路を疾走してくれたのだった。

心地よさの秘密は、例によってその足まわりにある。昔のフランス車に比べればサスペンションのスプリングレートはずいぶん上がっているはずだが、それでもバネ下だけが滑らかに路面に追随してボディをフラットな姿勢に保つ妙味は昔ながらのフレンチテイスト。ドイツ車のようにダンパーを締め上げてフラットライドとした味わいとは、明らかに異なる。あえていえば「ソフトなフラット感」とでも表現すべきか。それも、路面のうねり具合や車速にほとんど左右されず、心地よさがずっと続くのだから不思議だ。

そして高速クルージング時に印象に残ったもうひとつのポイントが、ADASの高い完成度だった。

高速道路を使って長距離移動する際には、レーンキープアシストシステムやアダプティブクルーズコントロールをほぼ確実に使うが、新型3008のアダプティブクルーズコントロールは加減速の調整が丁寧で心地いい。

センサー類も、かなり遠くまで「見渡して」くれる。ブレーキングが遅れてドライバーをやきもきさせることはなかった。感知システムが優れていれば、衝突軽減ブレーキなどの作動にもそれだけ余裕が生まれるはずだ。

レーンポジショニングアシストの作動も、滑らかだ。しかも車線の中央をぴたりとトレースする精密性に驚かされた。さらに、車線中央だけでなく、車線内の任意の位置を維持して走行する機能も備える。ゆるいS字コーナーで隣車線を走る車両が目の前にいると判断して急減速を行ってしまうようなシステムも時にあるが、新型3008のADASはそういった間違いを一切犯さなかった。これも安心感につながるポイントだ。

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