1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。最終回となる今回は、8代目ゴルフのアウトラインと、その歴史を振り返ってみよう。

スマホ化の波はゴルフのインパネにも影響を与えた

画像: 本格的にデジタル化されたゴルフ8のインパネまわり。液晶パネルが横に並ぶなど、大きく進化している。

本格的にデジタル化されたゴルフ8のインパネまわり。液晶パネルが横に並ぶなど、大きく進化している。

8代目ゴルフではハイブリッドが本格的に採用されたのが注目だが、電動化は従来から進められていた。いちばん変わったと感じられるのは、おそらくコクピットの「デジタル化」だろう。ダッシュボードのデザイン自体が大きく変わって、水平基調のデザインになって液晶パネルが横に並び、メータークラスターも液晶パネル化された。歴史あるゴルフにも「スマホ化」の波は押し寄せており、インフォテインメントシステムは進化している。

コネクテッドも進化しており、ヨーロッパでは「CAR2X」という、周辺他車や道路設備と通信して、安全走行に活かすシステムも採用された。先進運転支援システムも当然ながら充実しており、自動運転につながるような進化が今やゴルフにも多く見られる。

スタイリングは、よりいっそう走りの良さを感じさせるものになった。空力性能は先代ゴルフ7の0.3から0.275まで向上している。プロポーションの良さは、オーソドックスなデザインのゴルフにとって生命線ともいえるが、そこもゴルフ7からまた向上したように見える。

画像: 歴代ゴルフのリアビュー。ゴルフ8(写真手前)の「スライスライン」と呼ぶショルダーラインは、リアエンドにまで回り込んでいる。

歴代ゴルフのリアビュー。ゴルフ8(写真手前)の「スライスライン」と呼ぶショルダーラインは、リアエンドにまで回り込んでいる。

太いCピラーの「く」の字など、定番デザインはもちろん継承しているが、今回はショルダーラインがCピラーをはっきり横切るようになった。このショルダーラインはフロントグリルを貫く水平線の延長線で、フォルクスワーゲンはこれを「スライスライン」と呼んでいる。この水平線は車体をほぼ一周しており、それはゴルフ1にもあったものだ。

フロントマスクの印象は大きく変わり、まるでスポーツカーのようにシャープなデザインになった。グリルはかなり薄くなり、従来とは逆に、グリルを貫く水平な「スライスライン」の下側にヘッドランプが配置されており、低さが目立つ。ヘッドランプは全面LED化されて形状も変わったが、多くのクルマがLED化によって奇抜なデザインを採用しがちなのに対し、ゴルフはシンプル化を極めている。

パワーユニットは、エンジンのみのモデルも存続している。ガソリンは1Lの3気筒がついに主要なエンジンに加わったが、このほかに4気筒 1.5Lと、GTIやR用の4気筒 2Lがあり、さらにディーゼルのTDIや、CNGのTGIも設定される。ハイブリッドは、マイルドハイブリッドがeTSIと呼ばれ、これはヨーロッパで普及する48Vシステムを採用する。

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