3シリーズと4シリーズのトップパフォーマンスモデルとして君臨するM3 コンペティションとM4 コンペティション。その新型モデルが待望のデビューを飾り、ようやくそのハンドルを握ることができた。大きなキドニーグリルが実に印象的な2台の最新Mモデル、その熟成ぶりを試した。(Motor Magazine2021年5月号より)

キャッチーな両モデルに採用されたビッグキドニーグリル

6世代目のニューM3(G80)、そして2世代目となるニューM4(G82)のデザイン上でもっとも大きな特徴は、縦長のビッグキドニーグリルである。2019年フランクフルトモーターショーで公開された「コンセプト4シリーズクーペ」で披露されたこのグリルだが、これはM4専用でM3は小さなスタンダードサイズかと予想していたが、両方のモデルに採用された。

最新Mモデルの試乗会は、ミュンヘン郊外のBMWテストカーセンターを起点に行われた。まずハンドルを握ったのはM3コンペティションセダンだ。アイキャッチャーは、もちろんビッグキドニーグリルだ。フロントスカート両脇に大きく広がったエアインテーク、フロントタイヤ付近の過流を防ぐエアカーテン用スリットがダイナミックでスポーティな表情を作る。

ボディまわりでは2本のフィンが入ったルーフ/ドアミラー/トランクリッドスポイラー、さらに4本出しマフラーまわりのディフューザー(オプション)などカーボン製パーツが装備されている。インテリアはカーボン、レザーそしてアルミニウムトリムで囲まれている。未来的なデザインで身体をしっかりと包み込むスポーツカーボン製シート(オプション)は10kgの軽量化に貢献している。

搭載される新型3L直6ツインターボエンジン(S58)の最高出力は510ps、最大トルク650Nmで、0→100km/h加速3.9秒、最高速はオプションのMパッケージ装備で250km/hから290km/hへと跳ね上がる。カーボンでカバーされた幅広のスポークに各種スイッチ類が並ぶハンドルのグリップは太めで頼もしい。真っ赤なスタートボタンを押し、アイドリングが800rpm付近で落ち着いたところでレンジをセレクトしてスタート。ドライブプログラムをノーマルに選択してアウトバーンへ向かう。

新しいMエンジンは燃料噴射圧がそれまでの200バールから350バールへ高められており、洗練されたエンジンフィールが感じられる。ZF製8速ATはスムーズで、コンフォートモードでは軽いショックも感じさせないままトップギアまで到達、クルージングを始める。

乗り心地は固められたシャシにもかかわらず予想外に快適で、最新のADAS(アドバンスドドライバーアシスタンスシステム)も完備しているので、4ドアのM3セダンは渋滞を含む日常のドライブにも十分に使用できる。もちろんその気になれば、さまざまなスポーツドライブモードを駆使してのスポーツ走行も可能だ。

画像: 軽量化と低重心化を実現するカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製ルーフ。2本のフィンが印象的。(M4コンペティション クーペ)

軽量化と低重心化を実現するカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製ルーフ。2本のフィンが印象的。(M4コンペティション クーペ)

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